[3.17 PC準決勝 府中2-3大阪 代々木第一体育館]

　フットサルの全日本選手権PUMA CUP 2012は17日、代々木第一体育館で準決勝の2試合を行った。第1試合は府中アスレティックFCとシュライカー大阪の一戦。キックオフ直後に試合は動く。左サイドから中央にFPヴィニシウスがドリブルを仕掛け、後方のスペースにボールを落とす。そこに走り込んだFP一木秀之が、丁寧にコースを狙ったシュートを決めて、大阪が先制する。その後も一木は積極的にゴールを狙う。

　府中も前半7分に今大会初出場となる元日本代表のFP小野大輔を投入し、攻撃の活性をはかる。同10分には、その小野が自陣からゴール前にスルーパスを通し、FP山田ラファエル・ユウゴが決定機を迎えるが、シュートは左に外れていく。激しい試合展開の中、同13分に府中は累積ファウル数が6となり、大阪に第2PKが与えられる。FP林浩平のシュートをGK村山竜三が防いだが、前半残り3分を切ったところで、左サイドをヴィニシウスに突破されると追加点を許し、0-2とされる。府中も同19分に、小野がキックインからFP芝野創太の股を抜き、ゴール正面でフリーとなったFP完山徹一が1点を返した。

　後半も互いが攻め合う見ごたえのある展開は続く。後半12分には府中に決定機が訪れる。左サイドのFP上澤貴憲から逆サイドの山田にサイドチェンジのパスが通ると、山田はファーポストに向けてシュート性のクロスを送る。ゴール前でFP小山剛史が合わせようとしたが、わずかに届かなかった。

　このとき、時計は残り時間、8分10秒を指していた。フットサルではプレーイングタイム制が採用されているため、20分からカウントダウンし、プレーが切れるたびにタイムキーパーが時間を止める。だが、国際審判員の小崎知広は、このときに時計を止めず。7分43秒まで進んだ時計を10秒戻し、7分53秒からプレーを再開されたが、約20秒の時間が失われた。

　同14分、追加点は意外な形で入る。府中がキックインで意思の疎通がとれず。ボールが大阪のFPエビーニョに渡る。エビーニョが独走し、GKとの1対1を制してゴールを決めた。これで再び2点差とした大阪は、より集中して守備をする。府中も残り3分30秒から上澤をGKに置き、パワープレーに出た。残り44秒で完山からのパスをゴール前で受けた小野が決めて、再び1点差にする。しかし、同点ゴールは奪えないままにタイムアップ。

　GKイゴールを中心とした堅守を軸に、安定した戦いを見せた大阪が、決勝進出を決めた。