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[選手権予選]「狙い通り」の後半勝負で決勝点、大宮東が新人戦準Vの浦和西下す:埼玉2次L

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[10.6 第91回全国高校選手権埼玉県予選2次L第1節 大宮東1-0浦和西 西武台第2G]

 第91回全国高校サッカー選手権埼玉予選2次リーグ第1節、Cブロックでは県新人戦準優勝の浦和西と同4強の大宮東が激突。大宮東がMF前島一輝(3年)の決勝ゴールによって1-0で勝ち、好スタートを切った。

 狙い通りの後半勝負で大宮東が強豪対決を制した。新人戦準優勝の浦和西は10番MF{{山崎勇輔}、右FW富岡優斗主将、FW榎本亮太(全て3年)と前線にタレントが揃う。これに対して大宮東は相手の“要注意人物”山崎に主将のMF石塚塁(3年)をマンマークでつけて相手の攻撃のリズムを崩そうとする。

 浦和西は前半2分に右サイドを突破した富岡のラストパスにMF小椋健史(2年)が飛び込み、26分にも富岡のラストパスから山崎が右足シュート。30分には山崎のスルーパスで抜け出した富岡がGKをかわすなどチャンスをつくるが、相手の好守の前に1点を奪うことができない。

 試合直前に2人のけが人を出した大宮東だが、守備陣の健闘で無失点。またエースFW石川勝崇(3年)や左MF齋藤天登(2年)といった突破力のある選手がカウンターから相手の守備網を破り、ファウルを誘うなど押し戻して相手の流れを断ち切る。そして福島道夫監督が「ウチは我慢して、我慢してという戦い方。0-0で行けば後半必ずチャンスが来ると思っていた」というように前半を0-0で乗り切ると、後半の決勝点で白星をもぎ取った。

 後半15分、大宮東はワンツーから相手のサイドの背後へボールを運ぶ。浦和西は190cmGK栗原大地(3年)が頭でクリアするが、それが不運にも大宮東の前島の下へ。前島が右足を振りぬくと、豪快な一撃は左ポストを叩いてゴールネットへ吸い込まれるファインゴールとなった。指揮官が「次は打てないんじゃないですか」と苦笑した鮮やかな一撃について前島は「ディフェンスがしっかり守っていた。みんなの気持ちがこもったゴール」と胸を張った。

 追う展開なった浦和西は富岡中心に反撃するが、大宮東はDF渡部直生やDF田部利樹(ともに3年)らが粘り強い対応を見せて相手をPA内に入らせない。逆に20分に石川がGKと1対1となり、32分にもスピードのある右MF町田匠(2年)がシュートへ持ち込むなど、相手の背後を突いて2点目を狙っていった。194cmの超大型GK金子凌大も最後まで集中した守り。雨中となった終盤も守備陣が崩れることはなく、無失点勝利で決勝トーナメント進出へ一歩前進した。

 前島は「自分たちはどんどん、どんどん前に出ていく勢いのあるチーム。きょう勝ったことを自信にする」。そして石塚も「1試合1試合勝利すること。まずは2次リーグで3連勝する」と宣言した。94年以来6回目の全国大会出場へ、好スタートを切った大宮東はひとつずつ白星を重ねて目標を達成する。

[写真]後半15分、大宮東MF前島が決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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