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[選手権予選]県リーグで「全国王者に黒星つけた」相洋、弥栄下し8強進出:神奈川

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[10.21 全国高校選手権神奈川県大会3回戦 弥栄0-3相洋 潮風公園サッカー場]

 第91回全国高校サッカー選手権神奈川県大会は21日、3回戦を行い、弥栄対相洋戦は相洋が3-0で勝利。3年ぶりの8強入りを決めた相洋は準々決勝で桐光学園と対戦する。

「全国王者に黒星をつけたチーム」相洋が8強入りを決めた。9月のK1リーグで全国高校総体優勝の三浦学苑を1-0で下している相洋は前半11分、右サイドのオープンスペースを突いたFW鈴木国友(2年)のラストパスをMF浅野紀樹(3年)が決めて先制。だが、事前のスカウティングと違う3-5-2システムで試合に臨んできた弥栄のポジショニングに戸惑い、前半はMF平賀充(3年)中心に中盤でつなぎ、2列目からも積極的に飛び出してくる相手にほぼ試合を支配されてしまった。

 それでも市川秀樹監督が「新人戦の頃は『このチームは心配』というチームでした。でもK1リーグなど緊張感を持って戦ってきて力をつけてきた。今は、際どいところでも必ず粘り強くできる」と信頼するチームは崩れない。25分にGK小石川正樹(3年)がDF杵渕壮希(3年)の決定的なヘディングシュートをセーブしたほか、ボールを持たれてもCB中田佐武(3年)らディフェンス陣が要所を締めて前半を1-0で折り返した。

 相洋は粘り強い守り、対応が印象的だったが、チームが最も自信を持っているのは攻撃力。左SB服部信介主将(3年)が「取られても取り返すことができる」と言い切るチームは注目の2年生ストライカー、鈴木とFW井上翔太郎(3年)がダイナミックな突破、フィジカルの強さを活かしたボールキープを見せるなど後半は流れを取り戻し、2発の追加点で勝利を手繰り寄せた。

 後半18分、相洋はゴール正面での空中戦で鈴木が競り勝つと、PAに落ちたボールに反応した2年生MF吉田将が冷静に右足で2点目のゴールを流し込んだ。さらに28分には井上がPKを獲得。これを浅野が右足でゴールへ沈めると、大声で応援を続けていたサブ組の下へ駆け寄った浅野は、日本代表DF長友佑都(インテル)ばりの「お辞儀パフォーマンス」でチームメートたちに感謝した。

 全国王者の三浦学苑を完封しての勝利は選手たちに自信を与えたと同時にその視線を高い位置へと引き上げた。そしてこの日8強入りを決めたチームの次の対戦相手は全国総体8強で、現在プリンスリーグ関東1部で首位に立っているV候補・桐光学園。小石川は「最高の舞台で最高の相手とできる。全力で、楽しみたい。一週間準備して、いい試合がしたい」。また服部は「相手は神奈川チャンピオン。向こうは凄い選手が多い。でもしっかり守って攻撃できれば、勝てない相手じゃない。自分たちは全て出し切るしかない」と宣言した。地元・小田原市に近く、何度も経験しているShonan BMW スタジアム平塚での大一番。初Vを目指す相洋は波乱を起こすための万全の準備をしてV候補に挑戦する。

[写真]相洋は3発勝利で8強入り

(取材・文 吉田太郎)
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