beacon

[選手権]佐賀商をシュート3本に抑えた桐光学園が、16大会ぶり8強へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
[1.3 全国高校選手権3回戦 佐賀商0-3桐光学園 三ツ沢]

 第91回全国高校サッカー選手権は3日に各地で3回戦を行い、ニッパツ三ツ沢競技場では、佐賀商業(佐賀)と桐光学園(神奈川)が対戦した。前半に2点を挙げた桐光学園は、後半も危なげない試合運びを見せる。25分にはMF松井修平(3年)が追加点を決めて3-0で勝利。前回大会で越えられなかった3回戦の壁を突破し、ベスト8に進出した。

 序盤から桐光学園がボールを支配して、佐賀商業を攻め立てる。前半4分には右サイドでFKを獲得するとニアに入ったDF野方智文(3年)がヘッドでファーサイドに流す。そこにDF小松勇樹(3年)が飛び込んだが、シュートは左へ外れて行った。同5分にも速攻からMF菅本岳(3年)が縦へ仕掛けてクロスを入れるが、佐賀商DFにブロックされる。

 思うようにボールを奪えない佐賀商は、前半8分にMF山崎一帆(2年)がDFを引き付けて左サイドへパス。走り込んだMF森永優希(3年)がボールを受ける。中央にはFWが走り込んでいたが、森永のクロスは桐光学園GK長津大裕(2年)にキャッチされ、フィニッシュまで持ち込めない。

 前半12分には桐光学園がテンポの良いパスワークを見せ、ゴールに迫る。FW{野呂貴之(3年)、菅本とつながったボールを最後はボランチのMF多田八起(3年)がシュートしたが、これもDFにブロックされた。桐光学園の攻撃が実ったのは、同21分。PA外からMF橋本裕貴(3年)がミドルシュートを放つ。佐賀商GK島ノ江佳祐(2年)が弾いたところにFW市森康平(3年)が詰めて、ゴールネットを揺らした。

 前半29分には風上に立つ佐賀商も、ようやくファーストシュートを放つ。PA内までボールを運び、MF山崎のパスを受けたFW江口裕之(3年)がシュートを打ったが、ミートしきれない。同31分にもハーフウェーラインを少し越えたあたりでFKを得ると、DFを前線に上げてパスを放り込む。ゴール前で180センチの長身DF松尾渉(3年)がヘッドで合わせたが、浮いたボールはGK長津に抑えられ、結局、前半はシュート1本に終わった。

 攻める桐光学園は前半37分、MF多田八起(3年)がゴール前にロングボールを入れると、佐賀商のDF岩崎秀俊(2年)とGK島ノ江が連係ミス。こぼれ球を菅本が拾い、無人のゴールへと流し込み、リードを2点に広げて前半を折り返す。

 後半開始と同時に佐賀商業は森永を下げて、MF中島浩貴(2年)をピッチに送り出した。だが、後半も桐光が主導権を握る流れは変わらない。3分にMF橋本裕貴(3年)が、最終ラインの裏へパスを入れる。走り込んだ野路がボールを受けて、シュートを放ったが、GK島ノ江に抑えられた。

 佐賀商も前線の選手がドリブルできる状況を何度かつくったが、シュート体勢に入る前にDF諸石健太(3年)にことごとく止められる。後半15分過ぎからは、桐光が怒涛の攻撃を見せるが、佐賀商業のGK島ノ江が好守を連発し、追加点を許さない。それでも同25分には右サイドを橋本が突破し、野路がシュート。これにもGK島ノ江は反応したが、ゴール前に詰めていた松井が押し込み、3-0と勝利を決定づけた。

 最後まで佐賀商業に攻撃の形をつくらせなかった桐光学園は、佐賀商業のシュートを3本に抑えて勝利。佐熊裕和監督は「ラッキーな部分もあった。チームとして、せっかく奪ったボールをすぐに失うとリズムが悪くなる。そういうところは修正したい」と、完勝した直後にも関わらず、5日に行われる準々決勝の作陽(岡山)戦を前に、気を引き締め直した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 河合拓)

▼関連リンク【特設】高校選手権2012

TOP