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[選手権]セットプレーからDF3発、鵬翔が立正大淞南下し宮崎県勢初の4強

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 立正大淞南1-3鵬翔 フクアリ]

 第91回全国高校サッカー選手権は5日、各地で準々決勝を行い、フクダ電子アリーナでは立正大淞南(島根)と鵬翔(宮崎)が対戦した。鵬翔は前半30分、DF原田駿哉(3年)のゴールで先制すると、同36分にDF柏田崇走(3年)が追加点。立正大淞南も後半8分にMF隅田竜太(3年)のPKで1点を返すが、鵬翔は同13分にDF芳川隼登(2年)が追加点を決め、3-1で勝った。同校初の4強入りは宮崎県勢としても史上初。国立競技場で行われる12日の準決勝では星稜(石川)と対戦する。

 大会直前に鎖骨骨折の重傷を負ったエースのFW林大貴主将(3年)を欠く立正大淞南と、県大会決勝で左膝半月板を痛めたMF中濱健太(3年)が時間限定での起用となっている鵬翔。さらに鵬翔は3回戦まで全試合に先発していたMF川崎皓章(2年)も累積警告で出場停止だった。

 エース不在ながら八千代(千葉)との2回戦(7-1)では7得点のゴールラッシュを見せた立正大淞南は早いタイミングで前線にボールを入れ、FW田路大樹(3年)とFW坂口健太(3年)の2トップを中心にゴールへ迫る。しかし、3試合連続無失点で勝ち上がってきた鵬翔守備陣をなかなか崩せなかった。

 立正大淞南は前半19分、PA内で粘った田路がシュートにも持ち込むが、GK浅田卓人(3年)がセーブ。同29分にはロングボールから坂口が落とし、隅田が右足で狙ったが、これもGK浅田の好守に阻まれた。鵬翔もシンプルにゴールを目指し、前半7分にMF松永英崇(3年)、14分にMF小原裕哉(2年)、15分にはFW澤中拓也(3年)がミドルシュートを放つが、攻撃は単発。そんな膠着した展開をセットプレーでこじ開けた。

 鵬翔は前半30分、右後方からのFKを芳川がゴール前に蹴り込むと、GK添谷舞樹(3年)がゴールを空けて飛び出すが、ボールに触れない。ファーサイドの原田が打点の高いヘッドで無人のゴールに押し込み、先制点を奪った。さらに同36分、小原の左CKをキャッチしようとしたGK添谷がまさかのファンブル。こぼれ球を柏田が右足で蹴り込んだ。

 相手のミスを逃さない連続ゴールで2-0とリードを広げた鵬翔。2点を追う立正大淞南は後半に折り返し、攻勢を強めていく。すると後半8分、ドリブルでPA内に切れ込んだ田路が原田に倒され、PKを獲得。これを隅田が冷静にGKの逆を突いてゴール右に流し込み、1点を返した。

 今大会4試合目で初失点を喫した鵬翔だが、動じることなく、またしてもセットプレーから追加点を奪った。後半13分、右後方からの小原のFKに芳川がDFと競り合いながらヘディングシュート。これがゴール右隅に吸い込まれ、3-1と突き放した。

 勝利を大きく手繰り寄せた鵬翔は後半21分、澤中に代えて左膝をテーピングで固めた中濱をピッチに送る。2点リードにも手綱を緩めることなく、俊足の中濱を生かしたカウンターで果敢に4点目を狙った。守備陣も立正大淞南の反撃に落ち着いて対応。PKによる1失点に食い止め、そのまま3-1で逃げ切り、初の準決勝進出を決めた。

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2012

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