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[選手権]順延決勝へより良い準備をするのは?京都橘は首都圏、鵬翔は地元・宮崎で最終調整へ

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 降雪のため14日から19日への順延が決まった第91回全国高校サッカー選手権決勝。12回目の出場で初の決勝へ臨む鵬翔(宮崎)の松崎博美監督は順延された決勝について「決定しましたので、それに合わせてまた振り出しで、しっかり準備して頑張りたいと思います」と語り、全国大会初勝利から勢いに乗って決勝へ駒を進めた京都橘(京都)・米澤一成監督は「やることについては変わらない。きょうやるよりもいい条件でやらせてもらえることについては嬉しく思っています」と口にした。

 決勝までの調整方法はそれぞれ違う形となりそうだ。5日の準々決勝終了後、12日の準決勝までを首都圏で調整した京都橘は19日の決勝へ向けても同じく首都圏で過ごす模様。「生徒らの授業のこととかが心配」と口にした米澤監督だが、「一応、帰らない予定で継続してやりたいと思います」。地元へ戻って、中一日で慌しく首都圏へとんぼ返りするよりも、腰を据えてじっくりと準備を進めるつもりだ。「変わらずにきょうもいい準備をしてきたと思います。やることはやってきたと思いますので、また19日に同じような形で臨めたらなと思います」と意気込んだ。

 一方、準々決勝のあと一度宮崎に戻っていた鵬翔は、今回も宮崎で決勝へ向けた準備を進める。松崎監督はあす宮崎へ戻り、決勝前日に決戦の地へ戻ってくることを示唆。通常の授業も受けながら平常心で決戦へ臨む。指揮官は「(雰囲気づくりは)難しいと思います。この間も“魔の一週間”という言葉を使いましたけれども、また大変な一週間になると思います。決まった以上はそれに合わせるしかない。当たり前のことを当たり前にやるしかない」と語った。鵬翔は20日に新人戦宮崎県大会初戦を控えるというだけに、2つの準備を同時に進めることになる。

 方や関西、方や九州のチーム。関東から地元へ戻り、再上京することは簡単なことではない。両校ともにチーム、応援団、関係者にかかる経済的な負担への心苦しさを口にしていた。それでも決勝が仕切り直しされることはもう、決まった。あと1試合。初の日本一へ万全の準備をするだけだ。京都橘のDF高林幹主将(3年)は「(順延されたことで)みんなと長くサッカーできることは感謝したい。今までやってきたように自分達のサッカーができるように19日に臨みたい」。そして鵬翔のDF矢野大樹主将(3年)は「大事な試合が土曜日に控えている。みんなそのことを理解していると思う。いつも通りしっかりと体調管理に気を引き締めながら、普段どおりに生活して行けたら大丈夫だと思います」。決戦へ向けて別々の調整方法をとる両チーム。決勝でより自分達のサッカーを表現し、頂点に立つのは果たしてどちらか。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

【特設】高校選手権2012

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