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[選手権予選]U-17W杯3発の前橋育英FW渡邊はスルーパスで魅せるも唇噛む26分間

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[11.10 全国高校選手権群馬準決勝 前橋育英1-0前橋商 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場]

 先月のU-17W杯でチーム最多の3ゴールを決めてU-17日本代表の16強進出に貢献した前橋育英MF渡邊凌磨(2年)は、後半14分から右MFで出場した。18分には右中間からのスルーパスをFW小口大司(3年)へ通して決定機も演出。だが、なかなかシュートチャンスに絡むことができず、本人にとっては不満の残る内容となった。県内最大のライバル・前橋商の伝統校対決というプレッシャーもあったか。渡邊は「(山田)監督からはワイドで起点を取れと言われていたのでワイドで起点を取ろうとしていたんですけど、それじゃボールに絡めないという自分の判断で中に入ったり、いろいろ試したんですけど、ボールは結局数えるほどしか触れなかった。言い訳に聞こえるかもしれないですけど、雰囲気に飲まれたかなっていうところもあります。ワールドカップとはまた違う雰囲気で潰されてしまったかなというのが一番の印象でした」と唇を噛んだ。

 U-17W杯は敗れたスウェーデン戦こそ出番がなかったものの、グループリーグのベネズエラ戦で2ゴール。同チュニジア戦では後半アディショナルタイムに決勝ゴールと輝きを放った。目標のファイナリストには手が届かなかったが、世界と対峙してまた違う自分を知ることができた。「本当にいい経験をさせてもらったというのが一番強いんですけど、自分の通じるプレーや自分の通じないプレーだったりは日本と違うので、いい経験になりました。ドリブルの質だったりというのが、日本だったら詰まっていてもかわせるということが多かったんですけど、外国人は逆に間が空いている方が抜きやすかったりした」。

 世代を代表する選手として世界で印象に残る活躍をした。ただ、U-17W杯での活躍もここでは関係ない。前線からGKまでタレント揃う前橋育英では、アピールしてレギュラーを掴み取らなければならない。チームのリズムを変える存在ももちろん重要。それはもちろん理解しているが、あくまで先発フル出場して貢献できる選手を目指して結果を残していく。「天狗にならないように、これから頑張って(U-17W杯の活躍を)自信にしたいです」と静かに誓った。

(取材・文 吉田太郎)
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