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[選手権]水戸啓明が富岡にPK勝ち、いざ夏の総体リベンジマッチへ

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[1.2 全国高校選手権2回戦 水戸啓明1-1(PK4-3)富岡 ゼットエー]

 第92回高校サッカー選手権大会は2日、2回戦を各地で行った。ゼットエーオリプリスタジアムの第1試合では水戸啓明(茨城)が富岡(福島)を1-1から突入したPK戦を4-3で制し、3回戦に駒を進めた。3回戦では市立船橋(千葉)と対戦する。

 序盤から主導権を握ってゲームを進めたのは水戸啓明だった。だが先制点は一瞬の隙を突いた富岡に生まれる。前半28分、右サイドでボールを受けたMF保田省吾(3年)がエリア内に鋭いドリブルで侵入する。「SBの背後は気にしていた」という保田がマイナスに折り返すと、水戸啓明DF阿部悠大(3年)に当たってゴールイン。押されていた富岡が先にゲームを動かした。

 しかし水戸啓明に動揺はなかった。「アクシデント」と割り切ったイレブンは前半終了間際の38分、右サイドで獲得したCKからFW雨川拓未(3年)が右足で押し込む。通常はスーパーサブとして起用されることの多い雨川は、この日は会場に着いてからスタメンを言い渡されていた。「やるしかないと思った」。まさに気合が乗り移ったかのような同点弾となった。

 後半もチャンスの数で上回った水戸啓明だったがあと一歩のところで決めきれない展開が続く。富岡が集中した守りでしのいだこともあり、互いに譲らない展開が続く。勝敗の行方はこのままPK戦にゆだねられることになった。

 PK戦は先攻の富岡3人目のMF佐藤大悟(3年)が枠上に大きく外してしまったのに対し、水戸啓明は4人目までがきっちり成功。迎えた富岡5人目FW内山翔太(3年)。「1本は止められるという感覚があった」というGK黒子兼汰(3年)がコースを読み切りセーブ。県大会決勝同様PK戦をものにした水戸啓明。勝敗が決した瞬間、イレブンはスタンドを埋め尽くした応援団の方に一目散に駆け寄った。

 PK勝ちという結果にまずは安堵の表情を浮かべた巻田清一監督。「自分たちのサッカーは出来ていた」と話したが、試合を支配していただけに、勝ち越せなかったことは課題として残った。明日の相手は夏の高校総体の2回戦で敗れている総体王者市立船橋。「夏は0-1という点差以上の実力差を感じた。僕らがどこまで成長できたかを図る機会。精一杯持ってるものを出せるようにしたい」と力を込めていた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 児玉幸洋)

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