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[選手権]「ヒーローになりたいなと思っていた」交代出場の富山一MF村井が優勝決定弾!

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[1.13 全国高校選手権決勝 富山一3-2(延長)星稜 国立]

 交代出場の富山一MF村井和樹(3年)が優勝決定弾を叩きだした。2-2の延長後半9分、右SB城山典(3年)のロングスローが中央へ流れる。「『来た』と思いました。ヒーローになりたいなと思っていた」という背番号19が左足を振りぬくと、弾丸ライナーの一撃がゴールヘ突き刺さった。試合後、多くの時間が経過してもヒーローは「(ゴールの瞬間は)頭が真っ白になった。まだ信じられないです。実感ないです」と驚きの表情を見せていた。 

 チーム一のシュート力を持つ村井がしてのけた最高の仕事。この日は2点を追う後半32分からの出場すると、10分後の42分には左サイドのオープンスペースを突いてゴール前へピンポイントのクロスを配球する。これを受けたFW高浪奨(3年)が左足で追撃ゴール。村井はこのアシストに続き、劇的な決勝点も叩きだした。「苦しかったことを思い出しました。一時期、(練習に参加せずに)草むしりしていたこともあったし、大塚さんにいろいろ怒られたことも思い出しました」

 昨夏は「いろいろな人に支えられてこの学校に入ったのに、恩返ししようともしなくて」サッカーに集中することができていなかった。大塚一朗監督から厳しく指摘され、一からやり直すために練習中草むしりを命じられていたという。悔しい気持ち、情けない気持ちがあった。それでも「(大塚監督から)恩返ししなければダメと言われて、恩返ししたいなと思って。頑張ろうと思いました」と自分自身を変えてきた。自主練習で課題を決めてひたすら取り組み、そして今大会は交代出場した準々決勝・日章学園戦でゴール。そしてチームを日本一へ導くゴールも決めた。自分を変えて「最後の国立」でヒーローに。一番早く報告したいという「両親」、そして支えてくれた人たちに最高の形で恩返しをした。

(取材・文 吉田太郎)

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