[選手権予選]期待の世代が初Vへ、総体予選準優勝の明秀日立が6発快勝:茨城
[10.29 全国高校選手権茨城県予選3回戦 土浦一高 0-6 明秀日立高 水戸ツインフィールド]
第93回全国高校サッカー選手権茨城県予選3回戦が29日に行われ、夏の全国高校総体予選準優勝のAシード校・明秀日立高は、今大会初戦で土浦一高に6-0で快勝。鹿島高と戦う準々決勝(11月2日)進出を決めた。
ゴール前に人数をかけてしっかりと相手を弾き返していた土浦一の好守の前に、先制点を奪うまでやや時間がかかったものの、前半16分に10番MF飯島脩斗(3年)の右CKをファーサイドの左SB石川慶人(2年)が押し込んだあとは、前半だけで計4得点。それも、明秀日立は萬場努監督が「ゴールを取るところは課題だったので、そういうところでは私たちもビックリするようなシュートが何本か出たので、それはラッキーな誤算でした」と驚いたようにファインゴールを連発して快勝発進した。
土浦一も先制点を失った直後にMF永崎拓人(2年)が右足FKで相手ゴールを脅かし、左利きの司令塔、MF河合祐次郎(2年)の展開から左サイドを駆け上がったMF露村将(2年)がクロスを入れるなど反撃した。土浦一はGK原雄飛(2年)の好守もあって優勝候補に食い下がったが、明秀日立は23分にFW飯沼聖太(3年)が右足ミドルを叩き込んで2-0と突き放す。その後もMF沼山和樹(3年)とMF飯沼聖太(2年)や飯島ら中盤が1タッチパスを織り交ぜながらボールを動かし、飯島の右足ミドルやMF石川優吾(3年)の縦への突破、先発に抜擢された右SB林大地(2年)の積極的なカットインなどから追加点を狙う。
そして34分には、右サイドでの切り返しでDFを外した石川優が逆サイドのゴールネットへ鮮やかな左足コントロールショットを沈めて3点目。そして前半アディショナルタイムには飯沼がDF3人に囲まれながらも左足シュートをゴールへ流し込んで4-0とした。主将のCB石瀧翼(3年)は「3点目の(石川優の)左足とかまぐれっすね。ビックリしました。でも、ああいうシュートが決まるのは、日ごろの練習の成果かなと思う。シュート練習もしっかりやっていないと、ああいうのも決まらないと思うので良かったですね」
後半は連続失点から切り替えて臨んできた土浦一が反撃するが、明秀日立の誇るCBコンビ、石瀧翼主将と石瀧隼(3年)の「石瀧ツインズ」は鉄壁だった。1対1で強さを見せつけるなど、相手にチャンスをほとんどつくらせずに無失点。「崩せたところがもう少しあったので、成功に終わって欲しかった」(萬場監督)という課題は残ったものの、後半も交代出場のDF小室隼人とMF保土田颯人(3年)が決めて6-0で快勝した。
2年ぶりの全国総体出場を狙った夏は決勝で鹿島学園高に0-1で惜敗。そこから自分たちのスタイルに磨きをかけてきた。その成果は出てきている。萬場監督は「自分たちのスタイルを確立することに時間をかけていた。力ずくじゃなくて、足下の技術を活かしながら、パス回しを展開していきたいというところではきょうに限ってはまあまあできたかなと思います」と語り、石瀧翼は「(総体予選では)一瞬の集中力が欠けた時にやられたので、サッカーは難しいというところを再認識させられたし、質の向上とか、ワンプレー、ワンプレーの精度を高めることに注目を置くきっかけの一戦になった。そこから成長できた。きょうも前半悪かったんですけど、声かけながら。インターハイの時だと焦って蹴っちゃったりしていたんですけど、声かけあってつなぐことができた」と手ごたえを語った。
明秀日立は現3年生が入学してきた12年に全国総体初出場。現3年生は1年時に4人が全国舞台で先発を経験してきた。そして2年生だった昨年は関東大会予選で初優勝。歴史を塗り替えてきた期待の世代も最終学年となった。萬場監督は「彼らが入ってきてウチのチームは強くなった部分がある。ただ彼らの代になって一回も優勝できていないんですよ。そういう面では凄く優勝したいという思いが強いと思う。いい可能性を持った子たちが多いので、上手く尊重しながらゲームさせてあげたい」。そして石瀧翼は「いろいろな方の頑張ってくれという思いがある。自分たちは結果を出して恩返しするだけ。優勝して選手権。(準決勝、決勝が開催される)埼玉スタジアムに立てるように頑張りたい」と誓った。期待の世代が、明秀日立にとって初となる選手権全国への扉を開く。
[写真]前半アディショナルタイム、明秀日立は飯沼がDFに囲まれながらもこの日2点目のゴール
(取材・文 吉田太郎)
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【特設】高校選手権2014
第93回全国高校サッカー選手権茨城県予選3回戦が29日に行われ、夏の全国高校総体予選準優勝のAシード校・明秀日立高は、今大会初戦で土浦一高に6-0で快勝。鹿島高と戦う準々決勝(11月2日)進出を決めた。
ゴール前に人数をかけてしっかりと相手を弾き返していた土浦一の好守の前に、先制点を奪うまでやや時間がかかったものの、前半16分に10番MF飯島脩斗(3年)の右CKをファーサイドの左SB石川慶人(2年)が押し込んだあとは、前半だけで計4得点。それも、明秀日立は萬場努監督が「ゴールを取るところは課題だったので、そういうところでは私たちもビックリするようなシュートが何本か出たので、それはラッキーな誤算でした」と驚いたようにファインゴールを連発して快勝発進した。
土浦一も先制点を失った直後にMF永崎拓人(2年)が右足FKで相手ゴールを脅かし、左利きの司令塔、MF河合祐次郎(2年)の展開から左サイドを駆け上がったMF露村将(2年)がクロスを入れるなど反撃した。土浦一はGK原雄飛(2年)の好守もあって優勝候補に食い下がったが、明秀日立は23分にFW飯沼聖太(3年)が右足ミドルを叩き込んで2-0と突き放す。その後もMF沼山和樹(3年)とMF飯沼聖太(2年)や飯島ら中盤が1タッチパスを織り交ぜながらボールを動かし、飯島の右足ミドルやMF石川優吾(3年)の縦への突破、先発に抜擢された右SB林大地(2年)の積極的なカットインなどから追加点を狙う。
そして34分には、右サイドでの切り返しでDFを外した石川優が逆サイドのゴールネットへ鮮やかな左足コントロールショットを沈めて3点目。そして前半アディショナルタイムには飯沼がDF3人に囲まれながらも左足シュートをゴールへ流し込んで4-0とした。主将のCB石瀧翼(3年)は「3点目の(石川優の)左足とかまぐれっすね。ビックリしました。でも、ああいうシュートが決まるのは、日ごろの練習の成果かなと思う。シュート練習もしっかりやっていないと、ああいうのも決まらないと思うので良かったですね」
後半は連続失点から切り替えて臨んできた土浦一が反撃するが、明秀日立の誇るCBコンビ、石瀧翼主将と石瀧隼(3年)の「石瀧ツインズ」は鉄壁だった。1対1で強さを見せつけるなど、相手にチャンスをほとんどつくらせずに無失点。「崩せたところがもう少しあったので、成功に終わって欲しかった」(萬場監督)という課題は残ったものの、後半も交代出場のDF小室隼人とMF保土田颯人(3年)が決めて6-0で快勝した。
2年ぶりの全国総体出場を狙った夏は決勝で鹿島学園高に0-1で惜敗。そこから自分たちのスタイルに磨きをかけてきた。その成果は出てきている。萬場監督は「自分たちのスタイルを確立することに時間をかけていた。力ずくじゃなくて、足下の技術を活かしながら、パス回しを展開していきたいというところではきょうに限ってはまあまあできたかなと思います」と語り、石瀧翼は「(総体予選では)一瞬の集中力が欠けた時にやられたので、サッカーは難しいというところを再認識させられたし、質の向上とか、ワンプレー、ワンプレーの精度を高めることに注目を置くきっかけの一戦になった。そこから成長できた。きょうも前半悪かったんですけど、声かけながら。インターハイの時だと焦って蹴っちゃったりしていたんですけど、声かけあってつなぐことができた」と手ごたえを語った。
明秀日立は現3年生が入学してきた12年に全国総体初出場。現3年生は1年時に4人が全国舞台で先発を経験してきた。そして2年生だった昨年は関東大会予選で初優勝。歴史を塗り替えてきた期待の世代も最終学年となった。萬場監督は「彼らが入ってきてウチのチームは強くなった部分がある。ただ彼らの代になって一回も優勝できていないんですよ。そういう面では凄く優勝したいという思いが強いと思う。いい可能性を持った子たちが多いので、上手く尊重しながらゲームさせてあげたい」。そして石瀧翼は「いろいろな方の頑張ってくれという思いがある。自分たちは結果を出して恩返しするだけ。優勝して選手権。(準決勝、決勝が開催される)埼玉スタジアムに立てるように頑張りたい」と誓った。期待の世代が、明秀日立にとって初となる選手権全国への扉を開く。
[写真]前半アディショナルタイム、明秀日立は飯沼がDFに囲まれながらもこの日2点目のゴール
(取材・文 吉田太郎)
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