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[選手権]日大藤沢FW前田マイケル純、胸で押し込む意地のゴール「一気に頂点を」

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[1.5 高校選手権準々決勝 日大藤沢2-1静岡学園 駒場]

 日大藤沢高(神奈川)は5日、全国高校サッカー選手権大会の準々決勝で静岡学園高(静岡)を2-1で下した。後半29分にFW前田マイケル純(3年)が先制点を挙げると、1-1で迎えた同38分にMF今井裕太(3年)が決勝点を挙げた。途中出場した2人の活躍で、日大藤沢が初のベスト4に勝ち進んだ。

 後半29分、右サイドからのFKを獲得した日大藤沢は、MF西尾隼秀(2年)のキックをDF小野寺健也(2年)が頭で合わせる。ゴール前でこぼれると、混戦の中でDF金井勇人(3年)がシュート。最後は前田が胸で押し込み、試合を動かした。

 初戦の徳島市立高戦のうっ憤を晴らした。背番号9を背負う前田は、全国大会の初戦の先発メンバーに選ばれた。だが決定機を決めきれず、シュートはゼロ。1-1で迎えた後半22分に交代を命じられた。前田は2回戦の高川学園戦でも途中出場していたが、シュートはゼロ。そして3回戦の開志学園JSC戦では、ついに出番が回ってくることはなかった。快進撃を続けるチームにあって、どこか乗り切れない自分がいた。

 そんな中で声をかけてくれる存在がいた。初戦の徳島市立高戦でベンチ入りしたのみで、その後はインフルエンザのよる体調不良でチームを離れている主将DF吉野敬(3年)だ。「この間はチャンスがなかったけど、今日は必ずチャンスが来る」。前田は闘志を燃やした。「キャプテンの敬だけじゃなくて、他にも何人もインフルエンザとか体調不良で抜けている。絶対に繋げて、みんなが体調不良のまま終わらせたくはない」。胸で押し込んだゴールには、みんなの思いが詰まっていた。

 難敵・静岡学園を下してのベスト4。だが、「歴史を変えたいと話していたが、最初から目標は日本一。ベスト4に満足はない。一気に頂点を獲りたい」と慢心はない。「次もスタメンか、ベンチに入るかも分からない。選手層が厚いのが日藤。どの役割を与えられても、自分はFWなんで、しっかり結果を出したい」と先の戦いを見据えた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 児玉幸洋)
【特設】高校選手権2014

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