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[選手権]“唯一”の受験生・星稜高GK金岡はベンチ入りならずも「やり切りました」

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[1.12 全国高校選手権決勝 前橋育英高 2-4(延長)星稜高 埼玉]

 決勝直前のロッカールーム。ベンチ入りメンバーが読み上げられるなか、星稜高GK金岡天夢(3年)の名は呼ばれなかった。金岡は今大会登録メンバーの3年生のうち、唯一の受験生。大会期間中の空き時間にも勉強を続けながら、最後までベンチ入りを目指してアピールしたが、その望みは叶わなかった。

 ベンチを外れたことを悟った瞬間。金岡は「やりきったなという気持ちだったから、悔しさはなかった。こうなったら自分ができることを見つけて、優勝しようと思った」と振り返る。

 11日に行われた前日練習でも必死にアピールを続けた。「やりきった自信はあった」ことから、最後までメンバー入りの望みは失わなかったという。しかし、後輩GKたちの後塵を拝する悔しい結果。それでも金岡は「自分はやり切りました」と清々しい表情を浮かべると、「自分が学んできたことは全て出したし、本当に残念だったけど、チームには貢献できた。優勝という形に持っていけたのもよかった」と話した。

 高校サッカーを終えた金岡には受験勉強が待っている。高校2年生時にケガをした影響からスポーツ科学に興味があるといい、その分野を学べる私立大学を志望している。「最後までサッカーできたことをみんなに感謝したい。優勝できて本当に良かった」。チームメイトへ感謝する守護神は休む間もなく、新たな試練に挑む。日本一獲得に続き、「大学合格」という目標達成の“二冠”を目指して――。

[写真]賞状を手に笑顔をみせる金岡

(取材・文 片岡涼)
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