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[選手権予選]攻撃陣が躍動!前線のカルテット揃い踏みで、大分西がベスト4進出!:大分

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[11.1 全国高校選手権大分県予選準々決勝 大分西高 4-0 情報科学高 三光総合運動公園]

 第94回全国高校サッカー選手権大分県予選準々決勝が31日に三光総合運動公園で行われ、大分西高が4-0で情報科学高を下してベスト4進出を決めた。大分西は準決勝で大分鶴崎高と戦う。

「サイドチェンジとバイタルエリアでの崩しは試合前のポイントとして伝えた」と首藤啓文監督が話すように、大分西は序盤から攻撃陣が躍動する。2トップを組むFW宗太海主将(3年)、FW広瀬椋平(2年)と左MF薬真寺優希(3年)、右MF油布拓也(3年)が、幾度となく相手陣内に侵入。状況に応じて自らの立ち位置を入れ替えていく攻撃スタイルで相手を混乱に陥れた。前半8分にはMF原大恭(3年)の右クロスに薬真寺が頭で合わせ先制点を上げると、23分にもゴール前のこぼれ球から広瀬が左足で追加点を奪取。効果的に得点を重ね、情報科学に付け入る隙を与えなかった。

 後半に入ると、さらに攻撃はテンポアップ。ロングボールも交えながら、ボールに複数の選手が絡み好機を演出。6分にはゴール前で宗が右足で3点目を決めて、試合の行方を決定付ける。これで、守り切るだけとなった守備陣も高い集中力を発揮。DF梅木雄生(2年)が空中戦でことごとく競り勝ち、相手に決定機を与えなかった。対する情報科学はエースのMF高山拓斗(3年)にボールを集めて反撃を試みるが、ゴール前でのアイディアを欠き、決定打を放つまでには至らない。すると、試合終了間際の37分、前線で唯一無得点だった油布が魅せる。「相手が飛び込んで来たので、切り返していったらうまくいった」という巧みなドリブルでPA内を一網打尽。最後はニアサイドを冷静に左足で打ち抜き、4点目を奪った。

「いつも僕が選手に言っているのは蹴り合いでも勝て、ボールを繋いで相手を剥がしてでも勝てと言っている。繋いでも蹴り合いの状況でもできないといけないというのを春先から言ってきた」と首藤監督が言うように、ロングボールと細かいパスワークを織り交ぜる柔軟な攻撃スタイルが魅力の大分西。立ち上がりの5分間はシンプルにやるべく180cmの宗と177cmの薬真寺を2トップに並べる布陣を敷いたが、その後は薬真寺と広瀬の位置を変更。2人のポジションを入れ替えて、あとは選手たちの状況判断に委ねた。「今日はシンプルにやる場面では蹴れていた場面もあったし、前線の選手が競り勝ってそこから繋ぐことができていた。逆に相手が来ないときはDFラインからしっかり丁寧に繋ぐこともできていた。この両方ができないと全国では戦えないと思う。今日はその部分を上手く判断できていた」と指揮官はこの日の試合運びに手応えを口にする。

 大分西は最近3年間はベスト8までに姿を消していたが、4年ぶりに準決勝へと勝ち進んだ。この試合で前線のカルテット全員が得点を上げたように、準決勝以降も攻撃陣が躍動すれば、悲願の選手権初出場も夢ではない。首藤監督は普段から攻撃をする上で「景色を変えなさい」と話すが、今年の大分西が全国大会初出場を果たしてチームの目の前にある景色を変えることも十分に可能なはずだ。

(取材・文 松尾祐希)
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