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[選手権予選]ラストプレーで同点、延長で逆転!聖和学園が劇的勝利で連覇達成:宮城

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[11.7 全国高校選手権宮城県予選決勝 宮城県工高 2-3(延長)聖和学園高 ユアスタ]

 第94回全国高校サッカー選手権大会の宮城県予選決勝は7日に宮城県仙台市のユアテックスタジアム仙台にて行われた。県高校総体優勝の東北高に3-0で完勝し勢いに乗る宮城県工高と、大会2連覇を狙う聖和学園高が激突した。

 前半はドリブル突破からチャンスを作り出す聖和学園に対し、宮城県工はハイプレッシャーで応戦する展開に。試合は19分に動いた。中盤でボールを受けた聖和学園左サイドハーフのMF波田野海(3年)がスペースを消そうと密集する宮城県工の守備陣をスピードに乗ったドリブルでかいくぐり、左足でシュートを決めた。聖和学園が持ち味のドリブル技術を生かして先制した。しかし宮城県工も31分左サイドハーフMF阿部友祐(1年)が左サイドのスペースに飛び出してクロスを上げる。DF山下裕人(3年)を経由して、ゴール前に飛び込んでいたFW佐藤祐太(2年)がゴール。前半は1-1の同点で終了した。

 後半聖和学園がゴールを決めきれない場面が続く中迎えた29分、宮城県工はゴール左でFKのチャンス。MF早坂卓巳(2年)のFKから阿部友がヘディングシュートを決めて宮城県工が逆転に成功した。追いつきたい聖和学園は32分、準決勝で腰の負傷が悪化し、この日先発を外れたMF木部大嗣(3年)を投入。さらに33分、8月から負傷で戦列を離れていたFW谷田光(3年)を投入。負傷明けの主力2人の投入で同点を狙った聖和学園だったが、宮城県工の堅守に阻まれ、無情にも時間は過ぎていく。

 しかし、アディショナルタイムも3分を過ぎた時点でドラマは起きた。聖和学園は波田野からMF高橋勇太(3年)を経由し、途中から右サイドハーフに入ったMF菊谷篤資(3年)がフリーでボールを受けた。「何も考えないで打った」と左足を振り抜いたシュートがなんとゴールを突き刺した。そしてゴールの直後にホイッスル。敗戦濃厚だった聖和学園は土壇場で踏みとどまって2-2で延長戦へ突入した。

 そして延長前半4分、MF半田皓介(3年)からボールを受けた波田野が豪快に放ったミドルシュートがゴールに吸い込まれた。「気持ちがのっていて自分の体じゃないような感じ。流れに乗ってそのまま打ったら入った」と自身も驚くようなスーパーゴールで、ついに聖和学園は逆転に成功した。その後は自慢のテクニックを生かし、しっかりとボールキープ。このまま試合終了し、3-2で聖和学園が劇的な逆転勝利を飾った。

 聖和学園はチームの中心である谷田、木部を先発メンバーから欠き、この日も宮城県工のアグレッシブな戦いに苦戦した。しかし木部の代わりに先発出場した菊谷がチームを救う同点弾を挙げたことで加見監督も「信じて出したが、期待に応えてくれた」と活躍を喜んだ。この大舞台で選手層の厚さを見せられたのが勝因と言えるだろう。

 あと一歩のところで勝利が手から滑り落ちた宮城県工・宍戸清一監督は「サッカーは難しいなというのが正直な話。全国大会に行くには甘くないというのが分かったゲーム」と振り返った。しかし「この学年はM1(宮城県リーグU-18 1部)降格の危機もあったが、この大会は神がかっていた。よく頑張ってくれたというのが正直な気持ち」。リーグ戦、高校総体と厳しい結果が続いた中、最後の大会で頑張りを見せた選手たちを称えていた。  

(取材・文 小林健志)
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