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[選手権予選]駒澤大高が粘る堀越を振り切り、5年ぶりの全国出場決める:東京A

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[11.14 全国高校選手権東京都Aブロック予選決勝 堀越高 0-2 駒澤大高 味フィ西]

 都の赤い疾風が、激戦を物にした。第94回全国高校サッカー選手権の東京都予選は14日に西が丘サッカー場でA、B両ブロックの決勝戦を行い、Aブロックは駒澤大高が2-0で堀越高を下して5年ぶりの全国大会出場を決めた。

 得点が生まれたのは、前半14分だった。駒大高は右からMF栗原信一郎が繰り出したクロスをボランチの竹本有祥がシュート。GKに弾かれたところを自ら詰めたが再びGKに防がれてCKを得た。すると「その前のCKで相手のGKが前に出ていたので、ニアが狙えると思って仲間に合図した」というFW野本克啓が左CKから蹴ったセンタリングを、右DF高橋勇夢がダイビングヘッド。ニアサイドからファーサイドへコースを変えたシュートが見事に決まり、立ち上がりから押し気味に試合を進めた駒大高が先制した。

 試合は、ひたすら駒大高が押し込む展開が続いた。23分には野本の落としから竹上がシュート。36分には左MF矢崎一輝のサイドチェンジから栗原が強烈なシュートを放つなど、攻勢を続けたが、堀越はGK横山洋を中心に堅守で粘り、最少点差のままで試合は続いた。そして、堀越は38分に2年生FW照井基也がショートカウンターからGKとの1対1を迎え、ポスト直撃のシュートを放つなど、数は少ないながらも反撃の意志と力を示した。

 後半も駒大高が攻める展開が続いたが、追加点は遠かった。堀越は、守備の主力選手であり、準々決勝の関東一高戦で直接FKによる決勝点を挙げたDF東岡信幸が累積警告によって出場停止だったが、主将の富樫草太を中心にチームで声をかけ続けて駒大高の攻撃に対抗。駒大高は、後半から投入されたFW岩田光一朗が何度も決定機を迎えたが決め切れない嫌な展開が続いた。

 試合終盤は、両チームにビッグチャンスが訪れた。34分、駒大高は右からのクロスを矢崎がヘディングでしっかりとたたきつけたが、堀越はGK横山が好守。40分には堀越が照井のラストパスから途中出場の鈴木龍河のシュートへつなげたが、こちらもGKがセーブ。堀越はアディショナルタイムにも右からのクロスが混戦から中央へ抜け、FW新井信汰がシュートを放ったが、GKに阻まれた。そして打ち合いの展開から勝敗を決める一撃は生まれた。駒大高はカウンター気味に抜け出したFW深見侑生がドリブルで中央へ切り込んで横パス。栗原がノールックのワンタッチパスで流したところを、岩田がついにゴールへたたき込み、勝利を決定付ける追加点を奪った。

 ほどなく試合終了の笛が鳴り、5年ぶりの全国出場を決めた駒大高の大野祥司監督は、試合後にすぐミーティングを行い「このままでは全国では勝てない。周りが君たちを見る目は変わるけど、君たちが変わるわけではない。高いけど、今度は全国優勝という目標を掲げて、全員で、プライドを持って行動してほしい」と選手に呼び掛けた。選手も当然、地区予選優勝で満足するつもりはない。主将の深見は「東京での優勝は、チームが掲げた目標の中の最も小さいもの。本来の目標である全国優勝をこれから狙いに行く」と次なる夢への挑戦を宣言した。

(取材・文 平野貴也)

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