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[選手権予選]軽々と敵陣へ押し込む推進力! 佐賀北、堀西のカットイン決勝弾で2年連続の全国に王手:佐賀

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佐賀北高のMF堀西亮太はカットインから決勝点を決めた

[10.29 全国高校選手権佐賀県予選準決勝 佐賀北高 2-1 龍谷高 佐賀県総合運動場]

 あの場所へ、もう一度。第95回全国高校サッカー選手権大会の佐賀県予選は29日に県総合運動場で準決勝2試合を行い、第1試合は2年連続8回目の全国大会出場を狙う佐賀北高が2-1で龍谷高を下した。

 佐賀北は、立ち上がりの3分にMF堀西亮太からパスを受けたMF松本稜平が自らのシュートのこぼれ球を押し込んで幸先よく先制。さらに前半26分、左サイドから堀西が鮮やかなカットインシュートを決めてリードを広げた。しかし、後半に入ると守備の圧力を強めた龍谷を相手に攻めあぐねる時間が長くなり、18分にはセットプレーから失点。龍谷は主軸のMF柳迫仁を累積警告による出場停止で欠いたが、DF竹之下景弥の鋭いキックにDF荒巻幸平が抜群のタイミングで飛び込んでヘディングシュートを突き刺し、1点差に詰める粘りを見せた。最後まで龍谷が諦めずに接戦に持ち込んだが、試合を制したのは佐賀北だった。この試合におけるチームコンセプト守備重視を貫き、1点のリードを守り切って決勝進出を果たした。

 佐賀北は、持ち前の攻撃力が前半に光った。特に左MF堀西のドリブルは、スピードと力強さを兼ね備え、相手選手にコンタクトプレーへ持ち込まれてもバランスを保ってボールをキープ。敵陣へ軽々と押し込んで、チームの優位を明白にした。ゴール前に関しても1アシスト1ゴールと文句なし。元々、優れた推進力を評価されてサイドアタッカーを務めていたが、今季は夏までSBも経験。守備の経験値を積み重ねたことも攻撃力アップにつながった。堀西は「2点目は、イメージ通り。カットインは、自分の武器。SBをやっていたときに、カットインに付いて行くのがきつかったので、やるようにした」と手ごたえを示した。

 しかし、後半は推進力こそ保っていたが、外へ追いやられるようになり、左足のクロスを何度もブロックされた。小比賀徹二監督は「ああいう選手。こう、なるけん……。あれ(ドリブル)はいいんだけど、カーッとなって、何とかして自分だけでこじ開けようとしてしまう」と視界が狭まる」と視界が狭まるジェスチャーをしながら苦笑いを浮かべた。堀西も「後半は、相手が前から守備に来て、慌てて周りが見えなくなった。相手がカバーに来ていたので、もっと余裕を持って味方を使えば良かったのに、単調になってしまった」と話したように、チームの攻撃もトーンダウン。守備から立て直した龍谷に試合のペースを奪われてしまった点は、決勝戦に向けた課題となった。

 今季の佐賀北は、堀西だけでなく最前線の轟木優基もドリブルで運ぶ力があり、中央には巧みにパスを操るMF坂本昌俊がいる。いずれも昨年の全国大会を経験しているメンバーで、攻撃力には自信を持っている。ドリブルで突破やキープをできる選手が多く、落ち着きどころがあり、速攻とポゼッションを織り交ぜた攻撃を繰り出す。堀西は「去年は2年生主体で出て、前線はほとんど同じメンバー。攻撃の質は、この1年で上がって来た。決勝でもチームのためにハードワークをして勝利に貢献したい」と2年連続の全国出場にかける意気込みを語った。佐賀北は11月6日に行われる決勝戦で、佐賀東と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
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