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[選手権予選]帝京長岡のエースFW楜澤、「誰かをヒーローにさせるという気持ちで」決勝戦い、3年ぶりV狙う

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[11.6 全国高校選手権新潟県予選準決勝 帝京長岡高 1-0(延長)長岡向陵高 新発田市五十公野公園陸上競技場]

 帝京長岡高は先制点を取れない時間帯が続いたが、エースFW楜澤健太(3年)は相手にとって脅威となり続けていた。ボールを持つと、テクニカルなドリブルで相手の守備網を切り崩し、PAでパスを受ければ1タッチでゴールを叩き出すストライカー。前半はやや低調だったものの、後半はエネルギッシュにボールに絡み、ドリブル、クロス、空中戦での競り合いでも存在感を見せ続けた。

 特に延長戦はラストパスの一つ前のプレーでチャンスメーク。自らシュートを放つことはなかったが、サイドからファーサイドのMF荒井太樹の頭にクロスを通して決定機を演出するなど、マークを引きつけてチャンスの起点となる役割を果たしていた。相手が警戒し、簡単にはゴール前に入らせてもらえない中でも局面を破り、周囲を活かし、チームに主導権を握らせて勝利に貢献。本人は「まだ全然足りなかったですね。前半に凄い調子悪くて身体が全然動かなくて。後半のプレーを前半の最初からできるようにメンタルだったり、身体の調子を整えるのが大事」と首を振ったが、存在感は大きかった。

 長野U-15から帝京長岡へ進学。「選手権は高校サッカーの一番大きな大会なので、自分たちが中学2年生の時、小塚(和季、現新潟)さんの時に(全国)ベスト8でサッカーも面白かったんでここに入ればと思って来ました。自分たちもその舞台で活躍して、子どもたちに帝京長岡でプレーしたいと思ってもらうのと、大きな舞台に出れば自分の経験値にもなるのでそういうところで自分の役割ができればいい」と力を込める。

 決勝の対戦相手は昨年の決勝で敗れている新潟明訓高。難敵の決戦へ向けてエースは「自分がヒーローになるよりは、全員がそういう気持ちで動いていると思うんですけど、誰かをヒーローにさせるという気持ちで。自分としてはFWとしての仕事をして、まだ3年生を引退させたくないので勝つだけですね」。自分がヒーローにならなくてもいい。チーム全員で勝利して、3年ぶりの全国大会出場を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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