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[選手権予選]「杉岡ブチ抜いて獲ります!」最注目FW岩崎、大会ナンバー1DFたちから選手権初ゴール奪う!

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大会最注目のストライカー、京都橘高FW岩崎悠人主将(左)が選手権初ゴールを誓った

[11.23 全国高校選手権京都府予選決勝 京都橘高 1-0 京産大附高 西京極]

 京都橘高が5連覇を決めた試合後、大勢の報道陣に囲まれていた注目ストライカーの口から大胆宣言が飛び出した。元々連絡を取り合う仲の良さも後押ししたか、それともU-19日本代表CB杉岡大暉(湘南内定)とU-19日本代表CB原輝綺(新潟内定)擁する夏の全国王者・市立船橋高との対戦が正式に決まった興奮、それを打ち破る意欲の表れか。全国高校選手権での初ゴールを期待されるU-19日本代表FW岩崎悠人主将(3年)は「杉岡ブチ抜いて獲ります!」と、京都府決勝前日に「頑張れよ」と連絡を受けたという市立船橋の主将・杉岡を抜いてゴールを奪うことを宣言した。

 21日の全国高校選手権組み合わせ抽選会でまだ未定だった京都府代表と1回戦で対戦することが決まった市立船橋・杉岡は、圧巻とも言える馬力とスピードを備える岩崎について「一発持っている選手。一人で獲る力のある選手」と警戒していたが、「(原と)2人でならしっかりと抑えられると思うし、しっかり声掛け合ってケアしたいと思っています」と語っていた。全国高校総体6試合をPKによる1失点のみで頂点に立っている市立船橋の守りは非常に強固。特に杉岡、原はいずれも今回の全国高校選手権を代表とする存在のDFだが、それでも岩崎は堂々とゴール宣言をしてのけた。

 4月の船橋市長杯で京都橘は市立船橋に1-3で敗戦。だが、岩崎は「4月の時よりは僕らも確実に成長していると思う」と口にする。市立船橋の印象について「技術の面では高体連で抜けていると思いますし、後ろ2枚に代表の選手がいるんで本当に安定していると思います」と強さを認めているが、自身がその守りを破らなければ勝利に近づくことはできないことも理解している。岩崎は今夏、待望の全国初ゴールを決めた。1年時の総体と選手権、2年時の選手権で全国大会に出場してインパクトあるプレーを見せていたが、いずれもノーゴール。それでも、ゴールへの強い意欲を持って臨んだ今夏の全国総体で2試合連続ゴールを決めている岩崎は、次は選手権初ゴールを注目DFたちから奪うつもりだ。

 この日は京産大附高の厳しいマークにあい、苦戦した。それでもボールを受けるタイミングを工夫しながら、快足を活かした突破を随所で披露。後半24分にはDF2人の間を破って決定機を演出し、33分の決勝点に絡み、37分には反転からの左足シュートをポストに当てた。また意地になって突破を繰り返すのではなく、DFを引きつけてのチャンスメークがチームの好機に。今年は本人も「『どこに所属してんねん』とよく言われているんですけど」と苦笑するほど、年代別日本代表チームの活動やJクラブへの練習参加によって京都橘を離れることが多かった。そのため、連係面を十分に詰めることができず。この日は周囲と動きが被ってしまうシーンもあった。また岩崎は10月のAFC U-19選手権で3ゴールを決めて日本の初優勝とU-20W杯出場権獲得に貢献したが、サウジアラビアとの決勝で120分間フル出場するなど計6試合(岩崎は5試合に出場)を戦った代償は大きく、帰国後は非常に苦しい日々を送ってきたという。

「本当にああやってコンディション上がらなかったの初めてなんで、おかしいなと思っていました」。帰国後の11月2日から京都橘の練習参加してに3日に京都府予選初戦。米澤一成監督も「可愛そうでしたね。まずコンディションが本当に悪くてそれでも注目されて。自分の思ったように身体が動かないし、本当に可哀想だなと」という状況だった。疲労を取らないといけない。だが、全国に出たい、キャプテンとしてみんなと戦わなければならないという思い。その中で指揮官と相談して可能な限り練習時間をセーブするなど回復に務めてきたが、今回の予選では個人としてもチームとしても本領を発揮したとは言い難い。だからこそ、全国までの限られた時間の中でコンディションを上げて、チームとともに少しでも成長を遂げて決戦のピッチに立つ意気込みだ。「(京都府優勝は)嬉しいんですけど僕自身、悔しいという思いの方が強いです。最後の大会なのでいい結果を残すために明日から突き詰めてやっていきたい。全国制覇を目標にしてやっていきたい」。活躍すれば、「人生が変わる」と感じている選手権。その舞台で予選の悔しさもぶつけて、主役になる。

(取材・文 吉田太郎)
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