2連覇に向けて盤石の東福岡、3ゴール奪取に2戦連続完封も…「生ぬるい前半」
[1.3 全国高校選手権3回戦 東福岡3-0鹿児島城西 等々力]
第95回全国高校サッカー選手権3回戦が各地で行われ、等々力陸上競技場の第1試合では4年連続18回目の出場で2連覇を狙う東福岡高(福岡)と3年連続7回目の出場となる鹿児島城西高(鹿児島)が対戦。前半2分に先制した東福岡が終盤の後半36分と後半アディショナルタイムに加点し、3-0の完封勝利を収めた。1月5日に行われる準々決勝で東福岡は東海大仰星(大阪)と対戦する。
いきなり試合を動かしたのは東福岡だった。前半2分、左サイドでボールを受けたMF青木駿(3年)が左足で送ったピンポイントクロスがゴール前で待ち構えるFW藤井一輝(3年)に届くと、藤井が打点の低い豪快なヘディングシュートで叩き込み、スコアを1-0とした。
その後も最終ラインのDF児玉慎太郎(3年)やアンカーのMF鍬先祐弥(3年)が巧みに散らし、MF高江麗央(3年)やMF福田湧矢(2年)が切れ味鋭いドリブルでサイドから押し込んでいく。しかし、DF田實康人(3年)とDF生駒仁(2年)のCBコンビを中心とした鹿児島城西守備陣を攻略し切れずに、なかなか決定機を創出できない。前半34分には青木駿のパスからPA内に進入したMF藤川虎太朗(3年)が狙い、同40分には青木駿のクロスから藤井がボレーで合わせるがともにGK泉森涼太(2年)に阻まれてしまった。
1点をリードして前半を折り返した東福岡だったが、チームを率いる森重潤也監督は、「早い時間に点を取れたので、それは良かったけど、その後は相手もウチの攻撃に対してきっちり守備をしてきて、なかなか崩し切れなかった。流れが悪いと言うか、相手のペースになる時間帯が長かったと思う」と振り返る。そして、背番号10を背負う藤川は「(志波芳則)総監督から『生ぬるい前半だった』と言われたし、個人的に『恥じないプレーをやれ』と言われ、悔しい思いを持って後半は戦った」と決して満足いかない前半だったと話した。
後半に入ると、その藤川がより攻撃に絡むようになり、効果的なパスからゴールに迫る場面を作り出していく。追加点が生まれない状況が続くと後半15分にMF濱田照平(3年)、同18分にFW佐藤凌我(3年)、同26分にMF田尻京太郎(3年)と次々と交代カードをピッチに送り込むと、同36分に待望の追加点が生まれる。中央で相手のパスミスをカットした藤川が右サイドに送ると、濱田が右足で蹴り込んでリードを2点差に広げる。さらに後半アディショナルタイムには藤川のスルーパスに反応してPA内に走り込んだ佐藤が、相手選手のファウルを誘ってPKを獲得。これを佐藤自らが蹴り込んで3-0の完封勝利を収めた。
守っては鹿児島城西のシュートを前半11分のFW眞田颯(3年)に放たれた1本のみに抑えた。初戦の東邦戦ではシュートゼロに抑えていたこともあり、2試合で放たれたシュートはわずか1本。盤石の試合運びを見せているように思われるが、指揮官は「チャンスを与えなかったというより、相手が1試合多く戦っていることで助かった部分がある。自分たちが抑えるというところでは、まだまだ甘さがあった」と2試合連続の完封勝利にも決して満足することはなかった。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 折戸岳彦)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016
第95回全国高校サッカー選手権3回戦が各地で行われ、等々力陸上競技場の第1試合では4年連続18回目の出場で2連覇を狙う東福岡高(福岡)と3年連続7回目の出場となる鹿児島城西高(鹿児島)が対戦。前半2分に先制した東福岡が終盤の後半36分と後半アディショナルタイムに加点し、3-0の完封勝利を収めた。1月5日に行われる準々決勝で東福岡は東海大仰星(大阪)と対戦する。
いきなり試合を動かしたのは東福岡だった。前半2分、左サイドでボールを受けたMF青木駿(3年)が左足で送ったピンポイントクロスがゴール前で待ち構えるFW藤井一輝(3年)に届くと、藤井が打点の低い豪快なヘディングシュートで叩き込み、スコアを1-0とした。
その後も最終ラインのDF児玉慎太郎(3年)やアンカーのMF鍬先祐弥(3年)が巧みに散らし、MF高江麗央(3年)やMF福田湧矢(2年)が切れ味鋭いドリブルでサイドから押し込んでいく。しかし、DF田實康人(3年)とDF生駒仁(2年)のCBコンビを中心とした鹿児島城西守備陣を攻略し切れずに、なかなか決定機を創出できない。前半34分には青木駿のパスからPA内に進入したMF藤川虎太朗(3年)が狙い、同40分には青木駿のクロスから藤井がボレーで合わせるがともにGK泉森涼太(2年)に阻まれてしまった。
1点をリードして前半を折り返した東福岡だったが、チームを率いる森重潤也監督は、「早い時間に点を取れたので、それは良かったけど、その後は相手もウチの攻撃に対してきっちり守備をしてきて、なかなか崩し切れなかった。流れが悪いと言うか、相手のペースになる時間帯が長かったと思う」と振り返る。そして、背番号10を背負う藤川は「(志波芳則)総監督から『生ぬるい前半だった』と言われたし、個人的に『恥じないプレーをやれ』と言われ、悔しい思いを持って後半は戦った」と決して満足いかない前半だったと話した。
後半に入ると、その藤川がより攻撃に絡むようになり、効果的なパスからゴールに迫る場面を作り出していく。追加点が生まれない状況が続くと後半15分にMF濱田照平(3年)、同18分にFW佐藤凌我(3年)、同26分にMF田尻京太郎(3年)と次々と交代カードをピッチに送り込むと、同36分に待望の追加点が生まれる。中央で相手のパスミスをカットした藤川が右サイドに送ると、濱田が右足で蹴り込んでリードを2点差に広げる。さらに後半アディショナルタイムには藤川のスルーパスに反応してPA内に走り込んだ佐藤が、相手選手のファウルを誘ってPKを獲得。これを佐藤自らが蹴り込んで3-0の完封勝利を収めた。
守っては鹿児島城西のシュートを前半11分のFW眞田颯(3年)に放たれた1本のみに抑えた。初戦の東邦戦ではシュートゼロに抑えていたこともあり、2試合で放たれたシュートはわずか1本。盤石の試合運びを見せているように思われるが、指揮官は「チャンスを与えなかったというより、相手が1試合多く戦っていることで助かった部分がある。自分たちが抑えるというところでは、まだまだ甘さがあった」と2試合連続の完封勝利にも決して満足することはなかった。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 折戸岳彦)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016