beacon

今大会好守連発の前橋育英GK月田は相手の注目守護神、無失点V意識せずに勝利へ集中

このエントリーをはてなブックマークに追加

練習中に笑顔を見せる前橋育英高GK月田啓

 前橋育英高の山田耕介監督は「決勝のキーマンは?」の問いに対して「今、GKの月田は当たっていますね。月田、いいですよ」と口にした。前橋育英は今大会全5試合無失点。攻守の切り替えの速さ、連動したプレッシング、球際の激しさ……と現在、守備面が非常に効いている印象だが、中でも最後方でゴールを守るGK月田啓(3年)が一際存在感を放っている。

 指揮官はその守備範囲の広さなどを讃えていたが、月田自身も「ハイボールで出れているのでそこは自信になっている」と語る。毎試合のように見せているビッグセーブ含めて自分自身がいいプレーを続けられている実感があるというが、そのエネルギーの源は仲間たちの声。「スタジアムでできているところでモチベーションも上がりますし、みんな遠くから来てくれているんで励みになっている」。その仲間たちの応援を力にあと1試合、納得の行くプレーで勝利に貢献する。

 前橋育英が決勝でも無失点勝利をすれば、99年度の市立船橋高(千葉)以来17年ぶりとなる無失点Vの快挙。だが、月田は過剰な意識をせずに「点取られないことを目標していきたい」と口にする。相手はロングスローなどセットプレーを得意とする青森山田高。巧さに加えてパワーで守りをこじ開けてくる怖さがある。それでも月田は的確なタイミングとポジションを取って、しっかりと対応していくつもりだ。

 青森山田には世代を代表する守護神、U-19日本代表GK廣末陸(FC東京内定)がいるが、それに対するライバル意識もないという。自分が廣末に負けたくない部分について「勝てないんじゃないですか」と周囲を笑わせたが、試合では絶対に勝つ意気込み。「勝てば初(優勝)なんで。勝ちたいですね。(山田耕介)先生も一昨年(決勝で)負けて悔しい思いしていると思う。監督を男にしたい」。

 簡単には勝てないことは分かっている。だが、2年前の決勝で敗れた先輩たちの分まで戦う決意のGK月田が、仲間たちとともに青森山田の攻撃を封じて日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2016

TOP