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インハイ全国8強の旭川実が2連覇へ王手!終了間際の山崎V弾で駒大苫小牧を下す

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決勝点は後半終了間際に生まれ、旭川実高が連覇に王手をかけた

[10.28 選手権北海道予選準決勝 駒大苫小牧高 0-1 旭川実高 札幌厚別]

 第96回全国高校サッカー選手権大会の北海道予選は28日に札幌厚別公園競技場で準決勝2試合を行い、第2試合は旭川実高が1-0で駒大苫小牧高を下して決勝進出を決めた。拮抗した展開で1点を争うゲームになったが、後半終了間際に途中出場のMF山崎蒼太(3年)が決勝点を挙げた。

 試合は、まったく互角の勝負だった。長短のパスを使い分けてスペースの有効活用を狙う旭川実に対し、駒大苫小牧は組織的な守備で対抗。ボールを奪うと、丁寧なパス回しで時間をかけて攻撃を仕掛け、押し返していった。

 前半18分、旭川実はクイックリスタートでパスを受けた右MF中田怜冶(3年)のクロスを送り、2年生FW西村歩夢が頭から飛び込んでチャンスを作ったが、駒大苫小牧も前半29分に2年生FW高橋歩武がカットインからミドルシュートを飛ばして応戦。前半は、一進一退の攻防に終始した。

 試合の流れが変わったのは、後半だ。駒大苫小牧は後半3分に高橋が抜け出しに成功したが、シュートは旭川実の大型GK中塚勝俊(3年)がセーブ。すると、旭川実は、小柄でスピードと個人技に優れるU-18日本代表候補経験者のFW圓道将良(3年)を投入して試合の流れを引き寄せた。

 少しずつ疲労が見えて来た駒大苫小牧は、圓道のクイックネスに苦戦した。後半7分、旭川実は圓道がドリブルで相手を引き付けて右に展開し、中田がクロスバー直撃のミドルシュートを放った。さらに、同14分には圓道が右サイドを抜け出し、クロスにボランチの河合悠人(2年)が飛び込んでチャンスメーク。同17分に圓道、同18分に中田と次々にシュートを放っていった。

 駒大苫小牧は、劣勢に立たされたが、キャプテンマークを巻いたMFキム・テヨン(3年)が中盤の潤滑油となり、高橋や左MF浜野翔馬(2年)が突破を仕掛けて反撃。後半19分にFW小笠原央(3年)が抜け出しに成功したが、シュートは防がれた。同30分には、FKの二次攻撃から高橋がシュートを狙う場面もあったが1点が遠い。

 互いに一歩も譲らぬ戦いとなり、試合は延長戦に突入するかと思われた。しかし、後半38分、旭川実はパスをつないで右サイドへ展開すると、中田のクロスに途中出場の山崎が飛び込み、ワンタッチシュートを合わせて待望の先制ゴールを奪った。駒大苫小牧は、アディショナルタイムに小笠原がドリブルで抜け出してシュートを放ったが、ゴールの枠を捉えられなかった。

 熱戦は1-0でタイムアップ。旭川実の富居徹雄監督は「相手が非常に良いチームでした。守備もよく整備されていた。手こずるだろうとは思っていたけど、予想通りだった。(圓道を入れても点が取れず)どうしようかと思って、山崎を投入した。前半にはなかった右サイドからのクロスで山崎が絡めて良かった」と話し、勝負をものにした安堵感を漂わせた。

 2年連続6回目の優勝を狙う旭川実は、夏のインターハイ(全国高校総体)で8強入り。優勝候補として注目されている。道予選を勝ち抜き、再び全国で躍進できるか。翌29日に行われる決勝戦は、北海道大谷室蘭高と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校選手権2017

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