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[MOM2274]藤枝東MF田村祐二朗(2年)_元U-15代表候補で独特の雰囲気持つレフティー。名門のリーダーへ

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スルーパスを狙う藤枝東高MF田村祐二朗

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権静岡県予選決勝T1回戦 藤枝東高 2-1(延長)飛龍高 草薙球技場]

 2年生だが、全国高校選手権優勝4回の名門・藤枝東高を牽引している存在だ。MF田村祐二朗(2年)はJFAアカデミー福島U15時代にU-15日本代表候補に選出されている注目アタッカー。「勉強もしたくて」進学校・藤枝東に進んだMFはこの日、ピッチで一際存在感を放っていた。

 延長戦まで100分間を戦った飛龍高戦では、右SHやトップ下の位置でプレー。チームは特に後半、圧倒的にボールを握っていたが、やや引き気味に守る飛龍をなかなか切り崩せなかった。その中で田村は相手の逆を取るドリブルで相手の懐へ切れ込んだほか、正確な左足クロスを入れるなどチャンスメーク。そして、先制点を叩き出した。

 後半23分、左サイドから人数をかけた崩しを狙った藤枝東は、左SB増田俊介(3年)がドリブルでDFを剥がしながら中央へ持ち込んでスルーパス。田村は相手CBの集中力が切れているところを見逃さず、「後ろみたら(CBが)ちょっと離れていたので行けるなと思って要求して、いいボールきたので無心で打ちました」と左足を振り抜く。豪快な一撃がゴール右上隅に突き刺さり、1-0となった。

 技術力の高さはもちろん、相手の目線や重心を見て判断を変える抜け目ない動きが印象的だった「藤色の背番号7」。より一つひとつのプレーの精度が高まれば、さらに存在感を放つことができそう。小林公平監督はその田村について「一番良いのはふてぶてしさ。『オレのところで仕事をするぞ』という雰囲気が出ているのは良かった」と説明する。エースの10番FW曽根大和(3年)が負傷欠場する中、小林監督から「オマエが中心になってやれ」という言葉も掛けられている田村は、ここへ来てリーダーとしての自覚も高まっているようだ。

 藤枝東は昨年、今年と無冠。伝統校復活のためにもこの選手権は予選で負けるわけにはいかない。「今年は静学に2冠取られている。3冠取らせたくないと思いますし、僕たちが静岡の代表として名を轟かせたいですし、上の方まで突き進みたいと思っている。目の前の相手にチャレンジャーの気持ちでやっていきたい」と誓うMFが、名門を勝たせるプレーをして、2年ぶりとなる選手権出場へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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