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神村学園が「負け試合」から清水内定FW高橋の一撃で同点!PK戦を制して決勝へ:鹿児島

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神村学園が追いついて突入したPK戦を制して決勝へ

[11.11 選手権鹿児島県予選準決勝 神村学園高 1-1(PK5-4)鹿児島高 鴨池陸]

 第96回全国高校サッカー選手権鹿児島県予選は11日に鴨池陸上競技場で準決勝2試合を行い、第1試合は神村学園高が来季の清水エスパルス入団が内定しているFW高橋大悟(3年)の同点弾で持ち込んだPK戦の末に鹿児島高を下して決勝進出を決めた。

 勝った神村学園の有村圭一郎監督が「負け試合でしたね」と認めるほどの辛勝だった。実績で上回る神村学園だが、前半は得意のショートコンビネーションを発揮できなかった。全体が自陣に引いてしまい、FW大山尚一(3年)のポストプレーに対するサポートが少なかった。また、中盤でボールを支配しても飛び出しや追い越しに時間がかかり、相手にボールを奪われる場面が目立った。大山は「前半は全体的に動きが硬かった」と立ち上がりを振り返った。

 一方の鹿児島は序盤から左MF小川翔也(3年)を使ってクロスからチャンスメークという形を徹底。CB勘場洸志(3年)は「逆サイドが空くのは分かっていたので狙い通りだった」と序盤の手ごたえを話した。さらに快足の大型FW柿園洸賜(3年)を相手の背後に走らせ、前後左右に相手守備陣を揺さぶった。

 前半35分にボランチの新井太陽(3年)のスルーパスから柿園が抜け出す好機があり、38分には右MF宮園仁志(3年)、MF古川晃平(2年)とつないで左へ展開し、小川のシュートで右CKを獲得。CKの二次攻撃から小川がクロスを上げ、勘場がダイレクトシュートを放つビッグチャンスがあったが、神村学園のGK冨吉優斗(3年)に防がれた。

 鹿児島は、主将のDF末吉海(3年)が「1年生の頃は県大会にも出られなかった」というたたき上げのチームだが、後半も攻勢に出た。5分、右CKのこぼれ球を柿園が押し込んで先制に成功。さらに6分に宮園のシュート、12分に左DF床波祐人(3年)のクロスとチャンスを作り出した。

 しかし、後半15分からは神村学園が逆襲に出た。高橋のパスを受け、途中出場のFW山野卓人(2年)がシュートを放った場面は、GKに弾かれながらもゴールへ入るかと思われたが、鹿児島の勘場がかき出した。33分には、左サイドを崩し、クロスをボランチの原田啓史(3年)がヘディング。ファーサイドへ狙い澄ましたシュートだったが、鹿児島の2年生GK米澤将がスーパーセーブでしのいだ。

 鹿児島は足のけいれんに苦しむ選手が続出したが、相手の猛攻に対して必死に応戦。しかし、後半34分、神村学園は大山のポストプレーから高橋が左足を一閃。ポストをたたいてゴールに飛び込む強烈なシュートを決め、ついに同点とした。

 試合は、神村学園が攻め、鹿児島が耐える展開のまま1-1でタイムアップ。勝負はPK戦に持ち込まれた。鹿児島は1人目が失敗したが「今日は神ってました」と話したGK米澤が活躍を続けて2本をセーブ。神村学園は、2-3で5本目を迎え、決められたら負けとなる窮地に追い込まれたが、GK冨吉が「得意なのに逆を突かれることが多かったので、思った方と逆に跳んだ」という決断で5本目をストップした。

 勝負が決まったのは、サドンデスに突入した7本目だった。先攻の鹿児島が痛恨のキックミス。後攻の神村学園がキックを成功させ、PK5-4で勝利した。神村学園は翌12日の決勝戦で、4連覇を狙う鹿児島城西高と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
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