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1、2年生台頭の広島皆実が「心を一つに」5連覇達成!08年度以来の全国王座奪還へ:広島

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広島皆実が5年連続14回目の出場を決めた

[11.19 選手権広島県予選決勝 広島皆実高 1-0 瀬戸内高 広島広域公園第一球技場]

 第96回全国高校サッカー選手権広島県予選決勝が19日に行われ、広島皆実高瀬戸内高を1-0で下し、5年連続14回目の出場を決めた。

 昨年と同じ顔合わせとなった決勝は、立ち上がりに瀬戸内が主将のMF藤原雅弥(3年)の突破で得たCKからチャンスを作ったものの、その後はゴール前のシーンが少ない静かな展開。広島皆実の仲谷洋平監督が「どちらも失点したくない、という意識があり、思っていた通りだったですが、研究もされていた」と振り返った通り、両チームとも決定機のないまま試合が進んだ。

 瀬戸内は藤原雅やFW島田章宏(3年)、広島皆実はFW森内幸佑(2年)やMF藤原悠汰(3年)が何とか局面を打開しようとするものの、それぞれ相手の守備陣を打ち破れない。前半38分に広島皆実の森内が左足で狙ったミドルシュートは、瀬戸内GK平松涼太郎(3年)の好セーブに遭い、結局そのまま0-0で前半を終えた。

 迎えた後半、仲谷監督が「前半はどんな形でも無失点でいって、後半に勝負」と語ったゲームプラン通りに、広島皆実が5分に先制点を奪う。FW岡本拓海(1年)からの縦パスで左サイドに抜け出した森内が、逆サイドにセンタリングを送ると、藤原悠がワンタッチで中央へ折り返す。これを岡本がスライディングしながら右足で合わせると、ゴール左隅に吸い込まれてネットを揺らした。
 
 先制された瀬戸内は反撃の機会をうかがうものの、前線でターゲットになるFW北村友和(3年)が厳しいマークに遭い、思うように攻め込むことができない。広島皆実も前線の選手交代などで追加点を狙うが、瀬戸内の守備網を破るには至らなかった。
 
 終盤、瀬戸内は前線へのロングボールを多用してゴールに迫り、CKや藤原雅のロングスローから同点を目指したが、広島皆実の体を張った守りから1点を奪えず、そのまま試合終了。2007年、2008年、2010年、2013年、そして昨年と、過去に5回決勝で対戦し、いずれも広島皆実が勝っていたカードは、またしても広島皆実の勝利に終わった。

 広島皆実は前述の2013年に瀬戸内を下して選手権出場を果たして以来、インターハイと合わせて全国大会への出場を独占し続けていたが(昨年のインターハイは開催県で2校が出場可能だったので、瀬戸内も出場)、今年のインターハイ予選は決勝トーナメント2回戦で広島工大高に敗戦。今年は2月の新人戦優勝も逃しており、選手権予選は「王座奪還」が大きなテーマだった。

 インターハイ予選後の強化の道のりを、仲谷監督は「1、2年生が夏にすごく成長してくれて、3年生も例年通り頑張ってくれた」と語る。「試合中も含めて、うまくいかないときに気持ちがバラバラだった。そこを直そうと『心を一つに』というところから始めた」。1、2年生が多くメンバーに食い込むなど活性化したチームは冬に向けて加速し、見事に県内王座奪還を実現した。

 5年連続出場だが、最近3年間は初戦敗退に終わっており、全国では結果を残せていない。「初戦を物にして波に乗り、上位進出を目指したい」(仲谷監督)。夏以降に高まったチーム力を冬に発揮して、2008年度以来の全国王座奪還も見据える。

(取材・文 石倉利英)
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