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大阪桐蔭に戻ってきた大黒柱MF西矢健人が1得点「プレーで見せるのが筋」

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ピッチで声を出し続けて味方を鼓舞する主将西矢健人

[1.2 全国高校選手権2回戦 大阪桐蔭高6-0羽黒高 味フィ西]

 2度目の出場で初の3回戦進出を決めた大阪桐蔭高(大阪)。「いろいろな想いがあってまだ整理できていないんですけど……、とりあえず2回戦で終わっていた9年前からひとつ時計を動かすことができたので嬉しいです」とキャプテンのMF西矢健人(3年)は胸をなでおろした。

「いろいろな想い」。大舞台を前に、西矢には苦難が訪れていた。12月15日に行われた流通経済大柏高(千葉)とのプレミアリーグ参入戦、先発フル出場したが左足内側靭帯を負傷していた。選手権直前での怪我に主将は苦しんだ。「1分もプレーせずに休んで、28日にこっちにきてからようやく動いて。みんなに迷惑をかけてますし。休んでいた選手が出るというのは、僕がサブの選手だったら『なんでやねん』という思い中で、何も言えずはがゆい部分もありましたけど、プレーで見せるのが筋だと思う」。

 そして、迎えた決意の選手権。膝にテーピング巻きながらもダブルボランチの一角で先発するとチーム4点目を記録、FW菊井悠介(3年)のロングシュートに対して羽黒イレブンがボールウォッチャーになっている中、エンジの8番だけが唯一動き出しをしてGKがこぼしたボールにつめた。「アップではちょっと痛かったですけど、ピッチでは魔法のように痛みがなかったです」と白い歯をこぼした。

 リードを5点に広げた後半10分には大事をとって交代。試合勘も含めて不安がよぎるが、永野悦次郎監督は「やりながら上がっていってくれるんじゃないかなと思います」と期待を込める。

 昨年ベスト4の東海大仰星越え、そして44年間大阪に持ち帰れていない優勝旗が目標だ。「優勝しなければ肩を並べられない」(永野監督)。春のセンバツで優勝した野球部、年末に行われたウインターカップで優勝した女子バスケ部といった同級生たちの後に続くためにも、激戦区大阪の代表校は頂点目指して走り出した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2017

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