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FC東京前身で活躍の父は選手権8強。川崎F内定の昌平MF原田は「一戦一戦」勝ち上がり、日本一へ

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川崎フロンターレ内定の昌平高MF原田虹輝は選手権で日本一を目指す

 昌平高MF原田虹輝川崎フロンターレ入団会見場となった昌平高には、原田の父・智宏さんと母・友恵さんの姿もあった。

「色々な色に輝いて欲しい」と願いを込めて、2人で相談してつけたという「虹輝」の名。今夏のインターハイで3位、個人としても大会優秀選手に選出される輝きを放ち、プロ入りを決めた長男に「まずは目の前のことを一生懸命やって欲しい」と期待していた。

 智宏さんは大宮東高(埼玉)2年時の90年度選手権に出場。3回戦の清水市立商高戦で先発出場し、MF名波浩(現磐田監督)やDF大岩剛(現鹿島監督)擁する相手に同点ゴールを演出するなど、V候補撃破と8強入りに貢献している。父は卒業後、FC東京の前身である東京ガスサッカー部へ進み、FWアマラオやDF藤山竜仁、MF浅利悟らとともにプレー。94年天皇杯では鹿島撃破のゴールを決め、97年天皇杯4強メンバーの一人でもある。原田はその父も指導していた岩槻ジャガーズサッカースポーツ少年団で得意のドリブルなどを磨いてきた。

 そして、Jrユースサッカークラブ与野を経て、昌平へ進学。「(サッカーや勉学で)一流に触れたり、一流になりたいという意欲は大切。(プロになった)先輩の姿を見ているのは凄くデカイ」(藤島崇之監督)という昌平で2学年上のMF松本泰志(現広島)とMF針谷岳晃(現磐田)、そして1学年上のFW佐相壱明(現大宮)がJリーガーになる姿を見て、プロ入りへの意欲が増した。最終学年で試合を決定づける選手に進化した原田はJ1王者・川崎F加入を決め、さらに「今、また伸びている」(藤島監督)という日々を送っている。

 選手権では父の記録を越えて日本一になることが目標だ。埼玉県予選は27日の3回戦・川越東戦からスタート。「最終的な目標は日本一。まずは県勝ち抜くのも厳しいので、一戦一戦、まずは初戦だけに集中したい」。埼玉5冠、関東王者として臨んだ昨年度の選手権は2回戦で神村学園高のエースFW高橋大悟(現清水)の一発に沈み、0-1で敗れた。その悔しさは忘れていない。

「(高橋のように)プロになる選手は一発で仕留める。一個のチャンスを決めきるような選手になっていきたい」。技術、ブレない軸、先を見据えての判断など高い評価を得ている原田は、苦しい展開の試合を一発で勝たせる力も選手権で示して、父超え、目標の日本一を果たす。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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