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[MOM2664]藤島FW土屋順平(1年)_攻守で俊足発揮。1得点に加え、「得意な形」でPKも奪取

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攻守に渡ってスピードを発揮した藤島高FW土屋順平

[10.28 選手権福井県予選準々決勝 福井工大福井高 1-3 藤島高 丸岡スポーツランド]

 2ゴールに絡み、藤島高の11年ぶりの4強進出の立役者となったのは、フランス代表のFWキリアン・ムバッペ(パリSG)に憧れるFW土屋順平(1年)。今夏のワールドカップ優勝に大きく貢献したヤングスターと同じスピードタイプの選手で、50m6秒2という速さが持ち味のストライカーだ。

 相手に押し込まれ、我慢の時間帯が続いたこの日の工大福井戦のような展開は彼にとって“好都合”だった。味方が自陣での粘り強い守りを続ける中で、カウンターの急先鋒として序盤から何度も空いたスペースに走り込んだ。

 スピードは攻撃面だけでなく、鋭い守備にも活かされている。「GKが足でキックする場面がたくさんあったけど、ボールが足から離れていたのでこれは行けるなと狙っていた」とGKがビルドアップ瞬間を虎視眈々と狙っていた土屋は31分にGKのトラップが大きくなった瞬間を逃がさず、ボール奪取を狙うと、足に当たったボールは、そのままゴールに吸い込まれた。

 37分にも相手のトラップが大きくなった瞬間を逃がさず、ボールを奪うとそのままドリブルでゴール前まで突破し、PKを獲得。キッカーを譲った主将のMF東孝太郎(2年)が冷静にゴールネットを揺らし、3点差とした。PK獲得は、初戦の敦賀高戦に続き2度目。土屋は「得意な形で貢献できて良かった」と胸を張った。

 ピッチで持ち味を存分に発揮した土屋は、「そこまで上手い選手ではないので、将来はこれまで頑張ってきた勉強を活かしたい」との理由で、3歳年上の兄・翔平さんもプレーした藤島に進学した。進学校であるため、サッカーに避ける時間は限られているが、「いかに効率よく練習するか考えるようになったし、時間の使い方が学べた」ことは彼にとってプラスで、テスト勉強も集中して励めるようになったという。

 迎えた初めての選手権は、「最初は物凄く緊張したけど、一緒に練習してきた仲間との思いや引退した3年生のことを考えて、”やるぞ”と気持ちを鼓舞してきた」。そうした成果がこの日は、結果として表れたが、「まだまだ貪欲に獲りに行きたい」と続けるように得点へのモチベーションは満たされていない。インターハイ予選の王者、福井商高に挑む準決勝でも、そのスピードで歓喜を呼び込んでくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2018

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