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[MOM2671]仙台育英GK佐藤文太(2年)_インハイでPK敗戦…元新潟GKの“金言”を糧に離れ技披露

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PK戦で大活躍の仙台育英高GK佐藤文太(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権宮城県予選決勝 仙台育英高1-1(PK3-1)聖和学園高 ユアスタ]

 仙台育英高の城福敬監督が「彼はPKの時、守るのが下手でした。いつも動きすぎてしまうのですが、今日は抜群でした。1発目以外はどっしり構えていました」と、GK佐藤文太(2年)の3連続PKセーブを絶賛。さらに1年生の頃から佐藤を厳しく指導し、なかなか彼を誉めない笹原義巳GKコーチも「いつもは止めないのにな…。でも、これが高校生なんだよな」と顔をほころばせながら、佐藤を讃えた。

 佐藤は今年のインターハイ1回戦の日章学園高戦でもPK戦を経験している。「あの時、自分は1本も止められませんでした。甘いコースもあったのですが、止められずに責任を感じました」。チームを救うことができず、大きな挫折を経験した。

「インターハイ後、僕はアルビレックス新潟U-15出身なのですが、以前新潟でプレーしていた野澤洋輔さんの記事を読みました。その時、『PKは蹴る瞬間まで待つことが大事』だという話を読みました」。来季、アルビレックス新潟シンガポールから復帰することが決定している古巣のレジェンドGKの話を読み、キッカーが蹴るギリギリまで待つ大切さを知り、自身のプレーを変えたという。

 大会前は毎日PK練習を行った。「毎日、PK練習をあれだけやって負けたら仕方ありません。控えGKの(及川)開世(2年)や、先輩の(小野)成海(3年)さんがベンチに戻った後に声をかけてくれて、客席で応援してくれる他のGKのためにも絶対止めようと思いました」と、PK練習の成果と、共に練習してきたGKたちの支えを糧とし、大仕事をやってのけた。

「試合終盤に失点して、今日は一回死んでいたので、もう怖いものはありませんでした。少しでも勝利できるようにしたいです」と全国大会への意気込みを語る佐藤。早くも大舞台でチームを勝たせることへ意識は向いていた。

(取材・文 小林健志)
●【特設】高校選手権2018

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