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京都準々決勝の注目カードはインハイ4強の東山に軍配。久御山の反撃凌いで1-0勝利

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久御山高の猛反撃を凌いだ東山高が準決勝へ

[11.3 選手権京都府予選準々決勝 東山高 1-0 久御山高 京都府立山城総合運動公園陸上競技場]

 選手権京都府予選のベスト8で注目を集めたのが、東山高久御山高のカードだ。今季は新人戦とインターハイ予選を制して、インターハイでは全国ベスト4まで勝ち進んだ東山と、定年を迎える松本悟監督が指揮官として挑む最後の大会となる久御山がベスト4進出を懸けて激突した。

 試合は序盤の一進一退の攻防を経て、次第に東山がペースを握りはじめると、前半11分にスコアが動く。左サイドからのクロスをファーサイドでMF中山翔(2年)が折り返し、最後はFW久乘聖亜(3年)が右足で叩き込んで、東山が先制点を奪う。

その後も東山の攻撃が続く。左の宇賀神拓世(3年)、右の中山の両サイドがクロスを供給し、22分にはCKの二次攻撃から中山のヘッドがバーを直撃。26分には久乘が、28分と34分にはFW長坂大陸(3年)が立て続けに相手DFラインの裏へ抜け出してGKと1対1のチャンスを迎えるが、久御山のGK永田大弥(2年)の好守に阻まれる。「たくさんチャンスがあったが、2トップが追加点を決められなかったことでチームとして苦しくなった」(久乘)という流れで、試合を折り返した。

 後半、1点を追う久御山が反撃。前半は守備時に自陣深くへ押し込まれて、ボールを奪ってからも相手のプレッシャーを受けて敵陣へボールを運べない時間が続いていた。だが、前半途中からMF檜尾昂樹(3年)とMF中野周登(3年)を中心にパスがつながりはじめると、アタッキングエリアでの仕掛けや、3トップの中央を務めるFW吉岡亮(3年)に縦パスが入る場面が増えていった。

 後半7分に檜尾がエリア外から惜しいミドルシュートを打ち、21分には交代出場のMF豊田伶(3年)が相手DFの背後を突いてPA内でシュートを放つが枠を捉えない。後半は40分間の大半を攻撃に費やすなど久御山らしさは発揮したものの相手の分厚い守備を打ち破れず、1-0のまま試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

 勝利した東山は防戦一方の後半となったが、福重良一監督が「“久御山が相手だと、こういう試合になる”と割り切った。最後のところで割らせない。それだけは言い続けた」と話せば、DF清原航平(3年)も「相手の雰囲気に飲み込まれないように声を掛け合い、粘り強く戦えた」と振り返っている。相手の特徴と試合展開を踏まえた上で耐え抜いて、ベスト4進出をつかんだ。春・夏に続いた府内3連覇まで、あと2勝。福重監督は「選手権に関してはチャレンジャー精神。地に足をつけて戦いたい」と浮かれることなく、準決勝を見据えている。

(取材・文 雨堤俊祐)
●【特設】高校選手権2018

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