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1年生MF青木が延長V弾!3試合連続逆転勝ちの東福岡が福岡6連覇達成!

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東福岡高が3試合連続逆転勝ち。福岡6連覇を達成した

[11.10 選手権福岡県予選決勝 東福岡高 2-1(延長)筑陽学園高 レベスタ]

 10日、第97回全国高校サッカー選手権福岡県予選決勝が行われ、6年連続20度目の出場を目指す東福岡高と10年ぶり3度目の出場を目指す筑陽学園高が対戦した。試合は筑陽学園が先行したものの、東福岡が後半開始早々にMF中村拓也(3年)、延長前半にMF青木俊輔(1年)がゴールを決めて大逆転。タフな戦いの連続となった福岡県予選を制し、全国切符を掴み取った。

 序盤から東福岡が主導権を握って押し込む展開となったが、筑陽学園も対人プレーに長じるDF吉村颯真(2年)、186cmの長身を誇るDF栗原幸一郎(3年)の両CBを中心に粘り強く防戦。ワイドから切り崩されるシーンもあったものの、ゴール前の攻防では譲ることなく耐えながら、反撃のチャンスを待ち続けた。

 DF中垣翔己(3年)のロングスローやFW赤司匠のミドルシュートでゴールを脅かすシーンを作るなど徐々にペースを掴むと、迎えた32分にはMF古賀勇貴(3年)のスルーパスに反応した赤司が抜け出し、GK松田亮(3年)を破る見事なシュートを左足で流し込む。総じて劣勢だった筑陽学園にとって、待望の先制点だった。

 ただ、松田が「必ず逆転してくれると思っていたので」と振り返ったように、準々決勝も準決勝も先制点を許していたこともあり、東福岡側の動揺は最小限だった。当然ながら先制されないのがベストだが、こちらの攻撃陣がゼロ点に終わるわけがないという信頼もあった。守備陣はまず追加点を許さないことへ気持ちを切り替えつつ、勝機を待った。

 ポイントになったのは後半の立ち上がりだ。MF中村拓也が「必ず立ち上がりでアグレッシブに行くぞと声を掛け合っていた」というこの攻防で、東福岡が強さを見せる。後半2分、右サイドでボールを持ったDF中村拓海(3年)が対角線上のスペースへとロビングのパスを通す。事前のスカウティングから隙があると踏んでいたポイントを突く攻撃で、最後は2列目から飛び出した中村拓也が粘り強く押し込んで同点ゴールを奪い取った。

 1-1と振り出しに戻った試合はここから均衡する。中村拓也は「もっと得点後からアグレッシブに行くベきだった」と悔やんだが、それでもボールを握っていたのは東福岡。後半21分からはMF福田翔生(3年)を投入し、U-16日本代表MF荒木遼太郎(2年)をアンカーの位置へ下げたより攻撃的な形にシフトチェンジし、さらに攻勢を強めてゴールへ迫った。アディショナルタイムには青木が左サイドから力強い突破を見せての決定的シュートを放つが、これはポスト直撃。惜しくもゴールは生まれない。試合は延長戦へもつれ込んだ。

 そして迎えた延長前半3分だった。荒木のクリアに始まったカウンターアタックで右サイドから交代出場のMF堺悠人(2年)が持ち出して、福田へ。これを福田がサイドのスペースへとラストパスを通す。森重潤也監督も「よく観ていた」と称賛したこのアシストに走り込んだのは1年生MFの青木。「気持ちで振り抜いた」という一発が見事にゴールネットを揺らし、ついに東福岡が逆転に成功した。

 筑陽学園もここから赤司を中心に反撃。交代出場のFW深松大雅(2年)も絡んでの攻撃を見せたが、U-17日本代表DF丸山海大(2年)や交代出場となったDF岩城雄大(3年)が中心となる東福岡守備陣も集中した対応を見せる。結局、試合はこのまま2-1で終了。「あきらめず最後まで戦い抜いた結果」(森重監督)としての勝利を掴んだ東福岡が全国切符を獲得し、日本一奪還に向けた最初の一歩を踏み出した。

(取材・文 川端暁彦)
●【特設】高校選手権2018



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