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「遊べ!」の声に反応。尚志MF加瀬が“股抜きドリブル”から決勝アシスト

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尚志高MF加瀬直輝は“股抜き”ドリブルから決勝点をアシストした

[1.3 選手権3回戦 前橋育英高 1-2 尚志高 浦和駒場]

「遊べ!」。1-0の後半11分、右サイドでボールを持ったMF加瀬直輝(3年)は、ベンチの尚志高・仲村浩二監督からの声をしっかりと聞き取っていた。「遊べ!」の声に対しての加瀬の答えは、「股抜き」。対峙したDFの股間にボールを通すドリブルで一気に2人を置き去りにした加瀬は、そのままゴールに並行した軌道のラストパスを送る。これをFW染野唯月(2年)が右足で決めて2-0となった。

 この日は前半から俊足ドリブラー・加瀬の下にボールが集まってきていた。だが、仕掛けることよりも優先していたクロスは先に相手DFに触られるシーンが続き、FW二瓶由嵩(3年)の頭に合わせたクロスもシュートは枠を越えていった。

 ハーフタイム、仲村監督は加瀬に対してクロスが増えすぎていることを指摘。そして、「もっと遊んでいい」と声がけしていたという。それもあって、咄嗟の「遊べ!」の声に加瀬の頭と身体が反応する。「股抜きというアイディアが出てきた」加瀬は、自分の間合いに持ち込んでから一瞬の加速とアイディアで打開し、決勝点をアシストした。

「試合が始まる前に、『そろそろオマエの出番だぞ』と言われていて、2試合やって得点もアシストもなかったので、きょうの試合はアシストや得点をしたいと思っていました。アシストができたのは本当に嬉しかったですね」。

 結果を残した俊足ドリブラーは、リラックスして準々決勝・帝京長岡高戦に臨むことができそうだ。「次の試合はもっと余裕をもって“遊んで”プレーしたい」。そのドリブルでチャンスを作り出し、再び貴重なゴールをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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