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秋田商は連戦の疲れも…俊足レフティーFW長谷川悠「一人ひとりが最後に力を振り絞った」

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左足で同点弾を演出したFW長谷川悠(写真協力『高校サッカー年鑑』) 

[1.3 全国高校選手権3回戦 龍谷1-1 PK2-4秋田商 フクアリ]

 俊足レフティーの高精度キックが炸裂した。秋田商高は1点ビハインドで迎えた後半40分、CKのチャンスを迎えた。FW長谷川悠(3年)が祈りを込めて左足で蹴り込むと、ニアサイドのDF山本翔太(3年)の頭に合わせ、土壇場で同点に追いついた。

「しっかりと速いボールを供給したら翔太や(田近)奈生が合わせられると思った。自分で狙う気持ちで、触っても触らなくても入るようなコースを意識して蹴りました」。練習通りの形から、質の高いキックで起死回生の同点ゴールを演出。「全国ではチャンスもなかったけど、ここぞっていうときに形になって、ゴールが生まれてよかった」と安堵した。

 龍谷の厳しいマークと中央を固めたブロックに攻撃は阻まれたが、最後はその左足がチームを救った。迎えたPK戦でも最後のキッカーを務め、鋭くゴール右隅のコースを突いた。ただ、自身としてはキックの感触は本調子ではなく、「ミドルキックやFKは力んでダフったりすることが多かった。しっかりと調整して、いいシュートを打てるようにしたい」と次戦を見据えた。

 中学時代、ブラウブリッツ秋田U-15で全国大会を経験した長谷川はチームの中心選手。今大会の1回戦ではゴールも記録した。スピードを生かした突破は相手の脅威となり、龍谷CB今村慎二(3年)は「足も速いし、ハードワークもどんどんしてくる」と秋田商の“キーマン”封じに苦戦していた。

 土壇場で試合を振り出しに戻し、勢いそのままにPK戦を制した秋田商。連戦の影響でチームの走力は落ちたが、終盤にギアを上げた。「前半は疲労の影響があったと思うし、自分もきついなと思った。これが最後だと思って、一人ひとりが最後に力を振り絞ったと思います」。秋田県勢としても32年ぶりのベスト8。泥臭く、最後は気持ちで勝利をもぎ取った。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2018

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