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敗戦もキープ力や正確キックで存在感。宮崎日大の大型FW川野は4年後「プロになれるように」

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宮崎日大高の184cmFW川野寛登がストライドの大きなドリブルでゴールに迫る

[11.4 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 3-0 宮崎日大高 宮崎県総合]

 敗れたものの、一際目立つプレーをしていた。宮崎日大高の184cmFW川野寛登(3年)は序盤から懐の深いボールキープやストライドの大きなドリブル、高精度のキックで存在感。試合開始当初は緊張していたというが、前半1分に両チーム通じてファーストシュートとなるカットインからの一撃を見舞う。

 その後も左サイドでボールを引き出し、サイドチェンジや相手のSB後方に落とすボール、味方のシュートに繋げるパスなどキック精度の高さを活かしてチャンスメーク。「焦ったら上手くいかないから、いつもやっているプレーに自信を持ってプレーしました」という川野は、視野の広い動きと球際の強さも含めて攻撃の中心になっていた。

 だが、エースとして1点を奪うことができなかった。後半14分に右CKから放ったヘディングシュートはゴールライン上のDFにクリアされ、21分に相手の小さなクリアを拾ってから放った右足コントロールショットは枠外へ外してしまう。試合終盤にも相手ボールを奪ってシュートに持ち込んだが、決めることができなかった。

「入らないですね。前半に比べて後半は積極的にボールをもらう動きもできていなかった」と川野。それでも、南光太監督は1得点を決めた準決勝よりもプレー面を評価し、「もっと成長すると思う」と期待していた。

 川野は今年、2つのJクラブに練習参加。攻撃面で手応えを得たというが、「やっぱりボールスピードや個人の能力だったり、動き出しとかも全然違うと思いました。(攻撃は) 普通に通用したと思うんですけれども、守備がダメだと言われたので……」。今後は進学予定の関東の大学で4年間、課題を克服し、プロで通用する力を身につける。

「4年間しっかりと初心に戻って、色々なことにこだわって練習して、プロになれるように頑張りたいです」。宮崎日大でのプレー機会は残りわずか。エースとして、後輩たちのためにチームをプリンスリーグ九州に昇格させて卒業する。

(取材・文 吉田太郎)
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