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祖父は日本サッカー界の“レジェンド”。DF杉山が好守で富士市立初の決勝進出に貢献

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富士市立高DF杉山朋哉は完封勝利に貢献した

[11.9 選手権静岡県予選準決勝 富士市立高 1-0 常葉大橘高 エコパ]

 日本サッカー界の“レジェンド”を祖父に持つDFが好守で決勝切符を勝ち取った。富士市立高DF杉山朋哉(3年)はこの日、3バックの右DFとして先発し、4バック移行後はCBとしてプレー。「相手のトップの9番(小野田龍剛、3年)、8番(杉山虎士朗、2年)が大きくて強かったので、まず身体を当てて前を向かせないことを意識して、そこからできるだけ(相手の攻撃を)遅らせて集団でボールを取りに行ったり、1対1では負けないことを考えていました」というDFは、PA近くまで押し込まれたシーンでも対人守備の強さを発揮するなど、相手に決定打を打たせなかった。

 身体能力高く、相手の起点をしっかりと潰すことができる選手だが、元々は攻撃力をウリとする中盤の選手。むしろ「守備を全然していなかった」という。だが、2年時の新人戦で突如コンバートされ、そこから杉山秀幸監督の指導を受けながら磨かれてきた守備が現在は強みとなっている。

 DFラインからでも落ち着いてボールをキープし、攻撃に繋げる力も特長。攻撃精神旺盛で「もっとボールを持ちたい」という気持ちもある。だが、チームのために我慢。守備に重きを置いて3試合連続無失点に貢献している。

 準決勝前日の8日は他の選手やスタッフとともに試合会場のエコパスタジアムへ。1階のミュージアムに飾られていた“サッカーの神様”元ブラジル代表FWペレと祖父の元日本代表FW杉山隆一氏の写真と、自身の“3ショット”を撮影した。

 杉山は「杉山監督に『撮っておけ』と言われたので」と苦笑する。祖父は“黄金の左足”の異名を持ち、メキシコ五輪銅メダルに貢献。日本サッカー殿堂入りも果たしている“レジェンド”だ。

「小さい頃にお父さんやおじいちゃんに影響を受けて始めた」サッカー。偉大な祖父の存在についてはあまり意識していないようだが、「少しでも(全国大会で活躍した)お父さんやおじいちゃんに近づけたら」という思いは持っている。

 全国まであと1勝。「良い感じで来れているけれど、気を抜かないで次も無失点で市立らしいサッカーをして勝ちたい」。自分は無失点にこだわり、富士市立のドリブルやショートパスによる崩しの良さを引き出して静岡制覇に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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