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延長後半にロングカウンターから一発!東久留米総合が関東一との熱戦制して決勝進出:東京B

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延長後半に決勝点を挙げて東久留米総合が決勝へ

[11.10 選手権予選準決勝 関東一0-1(延長)東久留米総合 味フィ西]

 互いが攻め合う熱戦は、80分で決着がつかずに延長戦までもつれ込んだが、最後はロングカウンターが炸裂した。第98回全国高校サッカー選手権の東京都大会は10日、味の素フィールド西が丘でBブロック準決勝を行い、第2試合は東久留米総合高が延長戦の末に1-0で関東一高を破り、8年ぶりの決勝進出を決めた。

 序盤から互いに迫力のある攻撃を見せ合った。東久留米総合は伝統のサイドアタック。右からスピードのあるMF佐藤海翔(3年)、左から小柄で技術の高いMF野口太陽(3年)がドリブルでアタック。敵陣に押し込めば、両サイドバックが攻撃参加して厚みを持たせた。一方の関東一は、序盤は積極的にロングパスやクロスを放り込んで3トップが連係を狙い、時間が経つにつれ中盤のMF笠井佳祐(2年)、MF類家暁(2年)がパスを引き出して変化をつけた。

 東久留米総合は前半25分に右クロスからFW松山翔哉(3年)がヘディングシュートを狙い、関東一は40分に右FW横山慎也(3年)が左からのパスをターンからシュートに持ち込んだ。しかし、互いにフィニッシュまで持ち込めない攻撃が多かった試合となり、勝負は長期戦となった。

 東久留米総合の加藤悠監督は「これで良いと思いました。うちは、リーグ戦も関東大会予選もインターハイ予選も勝った試合は、ほぼ1点差。0-0とか0-1で問題ないと考えていた」と無失点にこらえた展開に手応えを得ていた。

 後半は、関東一がCKやクロスで多くのチャンスを得たが、東久留米総合は主将のDF下田将太郎(3年)と186cmの長身を誇るDF岩田蓮太(3年)を中心に跳ね返し続けた。さらに関東一が選手交代で3-4-3から3-5-2に布陣を変えても動じずに耐えた。

 そして、後半30分が過ぎると、今度は攻め疲れた相手に対して東久留米総合が反撃に出た。特に光ったのは、ボランチの足立真(3年)が放ったプレースキックの精度だ。足立は「今日は全部、自分が納得のいくボールを蹴れた。関東第一の試合のビデオを見て、どこを狙うか話し合ったところに、蹴り分けられていたので、満足しています」と好感触を得ており、途中、加藤監督にキッカーを変わるように指示を出されても拒んで蹴り続け、好機を作り出していた。

 後半32分に右CKを下田が頭で合わせるチャンスがあり、何本も際どいCKを蹴り込むうちに、東久留米総合の得点の機運は高まっていった。39分には足立とダブルボランチを組むMF田中陸渡(3年)が鋭いミドルシュート。後半終了間際にはゴール前のこぼれ球を松山が狙ったが、ゴール右に外れた。

 互いに決定機を作れず、勝負は延長戦に突入。延長前半、関東一は類家のスルーパスに途中出場のMF貝瀬敦(3年)が抜け出してクロス。相手に当たって得た右CKをMF岡田琉空(3年)が左足で蹴ると、DF鹿股翼(2年)のヘディングの折り返しから笠井がボレーシュートを狙ったが、クロスバーの上に外れた。

 そして延長後半5分、東久留米総合はスローインからのピンチをクリアでしのぐと、延長後半に1枚目の交代カードとして投入されたFW山中真紘(3年)が胸で収め、相手と競り合って前線に残し、後方から走って来た松山が長い距離をドリブル。勢いのままペナルティエリア外からミドルシュートをゴール右に叩き込み、決勝点を奪った。

 残り5分を守り切った東久留米総合が、そのまま1-0で勝利。主将の下田は、決勝戦に向けて「どんな相手に対しても自分たちのスタイルであるハードワークを貫きたい。相手の方が技術は上。気持ちで立ち向かって、全国に出られるようにチーム一丸で頑張りたい」と強い意気込みを示した。次の相手は、パスワークに定評のある東海大高輪台高。再び耐えて一撃を見舞うか。注目の一戦となる。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校選手権2019

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