beacon

負傷欠場の注目2年生、前橋育英MF櫻井は戦い抜いた仲間に感謝。「来年、最後埼スタで笑っていられるように」

このエントリーをはてなブックマークに追加

先輩たちの涙を忘れない

[12.31 選手権1回戦 前橋育英高 0-0(PK4-5)神村学園高 浦和駒場]

「仲間を信じて待っていたので、今日の負けは仲間が本気で戦ってくれていたので、この負けに対して悔いは特にはないです」

 前橋育英高のU-17日本代表候補MF櫻井辰徳(2年)は前を向いて、仲間たちの全力プレーに感謝していた。美しい軌道のプレースキックなど高精度のキックとゲームメーク力が光る大会屈指のボランチだが、プリンスリーグ関東の最終節(12月8日)で左足首を負傷。より万全の状態で復帰するために初戦はベンチ外となっていた。

「今の状況でこの試合でチームに何ができたかというと分からないですけれども、正直、ピッチに立ちたかったという思いはあります」。ピッチに立って仲間たちとともに選手権を戦いたかった。注目MFはピッチに立てないまま敗退。それでも、得られたものも多かったと語る。

「今日、外でこの選手権を感じて、試合には出られなかったんですけれども、物凄く大きなモノになった」。選手権は紙一重の戦い。どこよりもハイレベルな競争をしながら、日常を過ごしてきた名門校にとっても簡単に勝てる舞台ではなかった。

 先輩たちが涙する姿、神村学園高が喜ぶ姿を目に焼き付けた櫻井は、1年後の選手権へ向けて決意を新たにしていた。「涙は流したくないな、という思いと相手が喜んでいるところはしっかりと見て、自分も来年、最後埼スタで笑っていられるように、また1年しっかりとやって行こうと思いました」。来年は必ず、笑って選手権を終える。

「今年1年間、(エース番号の)『14番』をつけてきて、色々なプレッシャーがあった中でこういう選手権で自分が出れずに終わってしまったのは物凄く悔しいですし、前橋育英の『14番』としてピッチ内だけじゃなくて、ピッチ外でも良い影響を与えられる選手にならないといけないなと思いました」。プレーでは必要不可欠な選手に。そして、ピッチ外ではどんな時も当たり前のことを当たり前にできる人間になる。そして仲間たちに認められる存在になって1年後、個人、チームの目標を達成する。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

TOP