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富山一の武器は今年もセットプレー、高精度キッカー富田は昨年度4強の中学時代チームメイトを意識「あいつには負けたくない」

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左右のキッカーが富一躍進のカギを握る

[11.7 高校選手権富山県予選決勝 富山一4-0水橋 総合運動公園陸上競技場]

 富山一高の一番の武器はセットプレーだ。右のFW吉倉昇空(3年)と左のDF富田脩平(3年)から繰り出される精度の高いキックが攻撃をけん引する。

 中でも富田は決勝で2得点を演出。まずは前半26分、右サイドで獲得したFKを蹴ると、飛び出したGKの指先を抜け、DF女川陽生(3年)の頭に合わせる完璧なキックで先制点をアシスト。さらに後半21分には右サイドから蹴ったCKでMF福岡輝(3年)のダメ押し弾をアシストした。

 富田は準決勝でCKを直接決める離れ業を演じるなど、大会を通じて精度の高いプレーを披露した。「自分の武器の左足から得点が多く生まれたのは嬉しい」。好調なレフティーはチームを勢いづける活躍に白い歯をみせる。

 昨年度の悔しさから今年一年をかけて精度を磨いてきた。昨年も自信を持っていたセットプレーだったが、3回戦の青森山田戦ではセットプレーから3失点。スタンド観戦だった富田も衝撃と共に悔しい思いを持ったという。

 目標である日本一を掴むためには、練習から質を上げていかないといけない。チームではセットプレーの練習だけをする日を設けるほど、強いこだわりを持ってやってきた。「ヘディングが強い選手がいるので、当てれば中で合わせてくれる」という信頼関係も自信の裏付けとして持っている。

 個人としては昨年、4強に勝ち上がった隣県新潟県代表の帝京長岡高を強く意識する。背番号2をつけて出場していたDF酒匂駿太は中学時代、SQUARE富山U-15でチームメイトだった。「いい刺激をもらっていた。あいつには負けたくない」。目標は7年ぶりの全国優勝。当時はレフティーの竹澤昂樹の活躍が注目されたが、富田にも同様の活躍を期待したいところだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2020

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