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[MOM3299]山梨学院MF山口丈善(3年)_与えられた時間は5分…悔しさ糧にした男が「全国につなげる」決勝弾!!

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山梨学院高MF山口丈善(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.14 選手権山梨県予選決勝 山梨学院2-1日本航空 中銀スタ]

 与えられた時間は5分。わずかな時間だったかもしれない。しかし、山梨学院高MF山口丈善(3年)は、その時間で大仕事をやってのけた。

 前半14分に日本航空に先制されながらも、同19分にMF広澤灯喜(3年)の得点で追い付くと、後半は押し込む時間帯が続く。ベンチから見守っていた山口は「今日はとにかく、まとまってやる。チーム一つとなって、やることを徹底してやれていた」と感じていた。幾度となくゴールに迫りながらも、日本航空の粘り強い守備に遭って勝ち越しゴールを奪えない試合終盤を迎える。

 すると、山口に声がかかって後半35分に投入。「時間もなかったので、どんな形でもいいから点を取ることしか考えていなかった」。ゴールへの強い欲を示してピッチに立つと、3分後の同38分に好機が巡ってくる。

 右サイドからFW笹沼航紀(3年)が送ったクロスをはね返そうとした相手選手のクリアが中途半端になり、競り合いからボールがこぼれてくる。そこに走り込んだのが山口だった。「決めるしかない。やるしかないと思った。貪欲にボールに向かい、全力で走った」と誰よりも早くボールに到達すると、右足のシュートでネットを揺らして決勝点となるゴールを記録した。

「インターハイがなくなったり、個人としても試合に出れたり、出られなかったりという中で、悔しい思いがたくさんあった」。この1年、悔しさも味わってきたが、「今までこんなことはない」という「全国につなげる1点」を奪い、「本当に嬉しい」と満面の笑みを浮かべた。

 だが、満足はしない。この日は選手権出場を決めただけ。「ドリブルやシュートという強みを出していきたい。チームの戦術を理解して、連係も含めた上で、自分が得点を奪えればいいと思う」。次は全国の舞台で持ち味を発揮し、チームに勝利をもたらすゴールを狙う。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2020

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