beacon

電光石火の25秒先制弾! 「3点以上、失点ゼロ」を全国でも体現した神戸弘陵が遠野を下す

このエントリーをはてなブックマークに追加

神戸弘陵高(兵庫)は2年連続で初戦を突破(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権1回戦 遠野高0-5神戸弘陵高 ゼットエー]

 12月31日に開幕した第99回全国高校サッカー選手権、ゼットエーオリプリスタジアムでの1回戦では、遠野高(岩手)と神戸弘陵高(兵庫)が対戦。開始25秒で先制した神戸弘陵が5-0の大勝で初戦を突破し、関東一高(東京B)との2回戦に進出した。

 32得点1失点で兵庫県を制した神戸弘陵が、その得点力の高さを遺憾なく発揮した。

 神戸弘陵ボールでキックオフを迎えると、いったんセンターバックに戻して長いボールを放り込む。遠野の選手がボールタッチするも中盤での浮き球を松野隼輝(3年)がすぐさま縦へのスイッチを入れる。右のウイングの松野が左サイドに流れたセンターフォワードの徳弘匠(3年)へスルーパスを送ると、徳弘がドリブルで遠野DFを十分に引き付け、最後はセンターライン付近から駆け上がった松野にリターン。松野は絶妙なトラップで遠野DFの間を抜けると、右足でゴールに蹴り込んだ。「正直ビックリしました」と振り返った谷純一監督は右腕をつきあげて貴重な先制点を喜んだ。

 攻撃の手を緩めない神戸弘陵は、前半のうちに徳弘と松野が追加点。後半には、FW田中祉同(2年)と途中出場のFW牧野隼也(3年)がそれぞれ加点して5-0で80分の試合を終えた。「県内では3点以上、失点ゼロという目標でやっているチーム」(谷監督)は、県大会でも準決勝の滝川二高戦(○2-1)除く4試合で達成。その目標を全国でも継続、遠野のシュートもゼロに抑えた完勝で2回戦行きを決めた。

 今回のスタメンのうち、9選手が昨年度の大会での登録メンバーだった神戸弘陵。松野、徳弘、田中祉、MF田中魁人(3年)、MF松井治輝(3年、今治内定)、DF小倉慶士(3年)、DF橋本翔和(3年)は2年連続でピッチに立った。「前回は4年ぶりでしたので、緊張して慣れるまで時間がかかったんですけど。(今回は)入りから固くならずにやれてよかったです」と指揮官は前年度の経験が大きかったことを明かした。得点者の松野、徳弘は2年連続での選手権ゴールに。先制点を含む2ゴールを挙げた松野について、「とにかくシュートの成功率が高い」と谷監督は讃えた。

「1つ目のプレッシャーをかけた後の2つ目で取ることができなかったので、そこで後手に回ってしまった。後手のディフェンスだとギャップが生まれやすいので、そこをうまくつかれた」と、2年ぶりに冬の舞台に立った遠野の佐藤邦祥監督。「1タッチ、2タッチで回せて時間をつくれていたのですが、シュートに結びつかなかった」と難しくなってしまった試合を振り返った。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2020

TOP