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「100回にはやっぱり丸岡が出ないといけない」。32回目の出場へ、名門・丸岡が5-0で福井準決勝突破

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3点目のゴールを喜ぶ丸岡高イレブン

[10.31 選手権福井県予選準決勝 丸岡高 5-0 福井工大福井高 テクノポート福井]

 第100回全国高校サッカー選手権福井県予選の準決勝が31日に行われ、丸岡高福井工大福井高が対戦。FW佐藤流星(3年)の先制点を皮切りに5点を奪った丸岡が5-0で勝利した。丸岡は7日の決勝で北陸高と対戦する。

 スコアだけを見れば大勝だが、「大量得点できたのはたまたま。狙い通り獲れたのは、サイドからクロスを上げた4点目くらい。後はダメでした。隙だらけでしたね」と話す小阪康弘監督を筆頭に、丸岡からは喜びの様子は見られない。前向きに捉えるなら、決勝に向けての修正点が見つかった試合と言える内容だった。

 試合のスタートダッシュは快調だった。これまでの2試合で32得点を奪う攻撃陣が、この日も立ち上がりから、サイドへアグレッシブに攻め込み、チャンスを量産した。前半12分にはMF明間歩(3年)が上げた右CKのこぼれを佐藤が決めて先制に成功した。

 以降も、最終ラインからテンポよくボールを動かし、左の佐藤と右のMF山次鴻史朗(3年)へと配球。前線のFW小関晴人(2年)も積極的にサイドへ流れ、そこから中へのクロスをファーの選手が合わせる形を見せたが、福井工大福井のDF川崎真優(3年)とDF渡辺秋生(3年)のCBコンビに阻まれ、2点目が遠かった。

 次第に我慢強い守備からカウンターで一発を狙った福井工大福井に見せ場が増え始めた。33分には、自陣でのボールハントからドリブルで前進したMF林大雅(3年)が右前方にパスを送る。PAの右で受けたMF丸岡篤生(3年)が繋ぎ、FW北唯斗(2年)がゴールを狙ったが、懸命に戻った丸岡DF横山潤成(3年)がスライディングでクリア。「前半のピンチでやられていたら、分からなかった」と小阪監督が振り返るシーンを凌ぐと、再び丸岡に決定機が訪れた。39分には明間のパスから、山次がゴール前を抜け出しシュート。これはGKに阻まれたが、素早く佐藤が押し込み、2-0で前半を終えた。

 後半2分に丸岡は、自陣でのFKを相手ゴール前に展開。そこから、DF徳山港音(3年)がシュートを放ち、最後は小関が押し込んだ。9分には左を破った佐藤のパスから、山次がゴールネットを揺らし、4点目をマーク。そして、40+2分にも途中出場のMF中川優斗(2年)が決め、5-0で勝利した。

 丸岡が選手権に出場した回数は、31回。福井県はもちろん、全国で見ても、これだけの成績はなかなか残せない。スタッフ、選手共に丸岡が県を引っ張る存在であることは、自覚している。「100回にはやっぱり丸岡が出ないといけない」と話すのは、小阪監督だ。「僕らはこの大会で優勝するため、全国で勝つことを目標に今まで3年間やってきたので、それをぶつけるだけです。100回大会というのは本当に大きいと思うし、歴史があるので丸岡が絶対に出ます」と意気込むのは、横山。決勝ではこの日出た課題を力に変えて、更なる活躍を見せてくれそうだ。

(取材・文 森田将義)
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