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「心が変われば人生が変わると証明した」夏に急成長、プロ内定FW擁す飯塚が2冠目指し東福岡との決勝へ:福岡

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14番MF長崎偉大(3年=FC NEO)がヘディングで決勝点を奪った

[11.6 高校選手権福岡県予選準決勝 飯塚1-0九国大附 ベススタ]

 第100回全国高校サッカー選手権の福岡県予選準決勝が6日に行われ、第1試合では飯塚高が九州国際大附高に1-0で勝利した。14日に博多の森陸上競技場で行う決勝では、東福岡高と対戦する。

 卒業後のガイナーレ鳥取への入団が内定するFW高尾流星(3年=ヴェントノーバFC)が在籍する今シーズンは、インターハイ福岡県予選を初優勝。しかし就任7年目の中辻喜敬監督によると、当初は歴代でもそれほど強いチームではなかったという。

 今夏、インターハイ予選前に普段主戦場とする県リーグ1部で3連敗を喫したことが急成長に繋がった。危機感を持った選手たちは中川智哉キャプテンのもと、もう一度自分たちのサッカーを見つめ直すことにした。意識したのは自分のためではなく、仲間、大きく言えば地域の人たちまで、常に誰かのためにプレーすること。「心の変化がプレーを変えた。心が変われば人生が変わると彼らは証明したんじゃないかなと思います」(中辻監督)。16強に終わった初のインターハイでは課題も多く見つかったというが、指揮官は「当たり前のレベル、意識のところから上がった」と成果も多分にあったことを強調する。

 冬の舞台でも全国にという想いを強めるイレブンは、6日の準決勝で心の強さをみせて勝ち切った。立ち上がりに迎えたピンチも冷静に跳ね返すと、徐々に圧力を強めていく。前半15分の吉田が蹴ったFKは、GK與田和也(2年=筑後FC)に防がれ、同26分のFW村越琉威(3年=esporte藤沢)のミドルも枠を捉えることはなかったが、得点の匂いを感じさせながら前半を折り返す。

 すると後半5分、右サイドでCKを獲得した飯塚は、MF吉田龍介(3年=FC直方)が蹴ったボールをMF長崎偉大(3年=FC NEO)が頭で合わせて先制点を決めることに成功する。同32分のカウンターからMF池田光希(3年=FC Liens)から村越に繋がり、マイナスクロスをFW梅野澪(油山カメリアFC)が狙ったシュートは枠外に外れるなど、追加点を決めることはできなかったが、終盤に九国大附がみせた猛攻もしっかりと守り抜いた。

 福岡2冠まであと1勝に迫った飯塚。決勝の相手は東福岡に決まった。相手は高校年代最高峰のプレミアリーグを戦う“格上”だが、今夏のインターハイ予選準決勝で2-0で快勝した相手でもある。「あの場所(全国大会)にいたい。改めてサッカーって楽しいなと感じました」。あくまでも一戦必勝を誓う中辻監督だが、目の前に迫った初の選手権出場が現実味を帯びてきている様子だった。

(取材・文 児玉幸洋)
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