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「選手たちはここでの勝利に飢えている」。王者奪還狙う草津東が野洲に逆転勝ち!:滋賀

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3点目を奪ったMF河合勇徳に駆け寄る草津東高イレブン

[11.6 選手権滋賀県予選準決勝 野洲高 1-3 草津東高]

 11月6日、全国高校サッカー選手権大会滋賀県予選の準決勝が行われ、第1試合では野洲高草津東高が対戦した。

 前半18分、野洲がゲームを動かす。MF佐藤大地(3年)が前へ出したボールを受けたMF村嶋泰至(3年)がシュートし、先制点を挙げた。追う草津東は35分、序盤から積極的にゴール前に攻め入っていたFW松田大知(3年)が出したパスをMF田中将大郎(3年)が押し込み、同点に。1-1で試合を折り返した。

 一進一退の攻防が続く中、後半26分にリードを奪ったのは草津東。右サイドからMF岡村真悟(3年)が上げたクロスに田中が頭を合わせて、逆転。試合終了間際の40+5分には、MF河合勇徳(2年)が相手パスをインターセプトすると、ゴール前まで一気に駆け上がり、ダメ押しの3点目。野洲は足元の高い技術を生かしたドリブルの中にロングボールも効果的に使いながら前線に運んでいくものの、草津東の粘り強くボールを追う連携の取れた守備に阻まれ、ゴールを奪えず。3-1で草津東が決勝戦に駒を進めた。

 試合後、「野洲らしさを出し切れなかった。それが本当に悔しい」と正直な胸の内を語った野洲高・中村大監督。けれど、過去3年で辿り着くことができなかった準決勝の舞台に、今年は立つことができた。この日の試合を「今年は特に技術の高い選手が多かっただけに、もっとやれたと思っているが、技術の高さを発揮するためには、まず守備の速さも必要。その部分は今日もしっかり出してくれた」と振り返り、「彼らのサッカーをずっと見ていたかった」と最後を惜しんだ。

 野洲高キャプテン・DF小礒健志郎(3年)は、「野洲のサッカーは面白いし、やっている自分たちも上手くなっている実感があった」といい、悔しい試合の後ではあったが、野洲で過ごした3年間が充実していて「楽しかった」ことにしっかりと胸を張った。

 一方、勝利した草津東の牛場哲郎監督は、今大会で初失点だっただけに、「先制されたので慌てるかもしれないと思ったけれど、選手たちは冷静に対応してくれた」と振り返る。失点直後には、牛場監督が声をかけるまでもなく、選手たちが自主的に円陣を組み、話し合う時間をとっていた。「相手のテクニックを生かした攻撃には粘り強く対応しようと話してはいた。良いかたちではないかもしれないけれど、実際にチームみんなでプレスバックしながらカバーし合い、粘り強く戦ってくれた。彼らはまた大きく成長してくれた」と選手たちの戦いぶりを称えた。

「去年は選手権予選で勝てなかったので、選手たちはここでの勝利に飢えている。自分たちが全国に行くという決意は、より一層強まっている」(牛場監督)。目指す舞台、そして2年ぶりの王者奪還まで、あと1勝。決勝戦で、その飢えを満たせるだけのゴールを貪欲に奪うのみだ。

(取材・文 前田カオリ)
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