beacon

3度目の正直で準決勝突破!! 広島国際学院、山陽に“11年越しの雪辱”果たして初の全国切符に王手

このエントリーをはてなブックマークに追加

決勝点を奪った広島国際学院高MF野見明輝(2年)が歓喜の疾走

[11.12 高校選手権広島県予選準決勝 広島国際学院高 2-1 山陽高 広島広域公園第一球技場]

 第101回全国高校サッカー選手権広島県予選準決勝が12日に行われ、第1試合では広島国際学院高山陽高を2-1で下し、20日の決勝への進出を決めた。

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、広島国際学院の瀬越徹監督はベンチ前でひざまずき、両拳を握り締めながらピッチに突っ伏した。選手権予選と全国高校総体(インターハイ)予選で計3回目となる準決勝で、ついに勝ち抜いて決勝へ。まさに三度目の正直で全国切符への挑戦権をつかみ、選手たちも喜びを爆発させた。

 今年度、県リーグでは2戦2敗と勝てていない山陽から、立ち上がりに先制点を奪って主導権を握る。前半8分(40分ハーフ)、中盤でのボール奪取から素早く前線にボールを運び、MF宮迫真汰(3年)がスルーパス。抜け出したMF板村祥里(3年)が山陽GK小方海渚人(3年)との1対1で、落ち着いてドリブルでかわして蹴り込んで均衡を破った。

 その後は山陽も最終ラインからパスをつないで攻め込もうとするが、中盤から先に行こうとするところで相手の守備網に捕まり、なかなか良い形を作れない。広島国際学院も何度かカウンターで追加点をうかがうも、こちらも決められず、前半は1-0で折り返した。

 後半、山陽はキックオフからゴール前にロングボールを送ると、ゴール前でこぼれ球を拾ったFW杉浦晴紀(3年)が右足シュート。これが鮮やかに決まり、後半開始から15秒もたたないうちに同点とした。

 広島国際学院にとっては嫌な流れになりそうな展開だったが、すぐさま突き放す。後半8分、MF宮迫のパスを相手DFがカットしたこぼれ球を拾ったMF角谷莉聖(3年)が右サイドへ展開。フリーでパスを受けたMF野見明輝(2年)が右足でゴール左に突き刺し、再びリードを奪った。

 その後は山陽が押し込み、MF筒井渚琉(3年)のドリブル突破などでゴールに迫るものの、広島国際学院もDF槇本篤拓(3年)とDF茂田颯平(2年)のセンターバックコンビを中心に、最終ラインが高い集中力ではね返す。山陽のFKで、中央に合わせるかと思われたボールがゴールの枠を捉えたピンチも、GK岡崎翔真(3年)が防いでゴールを割らせない。

 広島国際学院は試合終盤、敵陣深い位置でボールをキープして時計の針を進める。山陽も何度かゴール近くまでボールを運んでリスタートのチャンスを作ったが、最後まで立ちはだかった広島国際学院が逃げ切り、勝利の瞬間を迎えた。

 広島国際学院が選手権予選で準決勝まで勝ち上がったのは、2011年度以来11年ぶり。そのときは山陽に敗れ、勝った山陽は決勝も勝って選手権出場を果たしている。同じ準決勝で11年越しの雪辱を果たし、瀬越監督は「決勝の舞台を目指して頑張ってきたので、最高です。目標は全国に行くことですが。我々のチームの歴史を一つ、変えることができたので、選手におめでとうと言いたい」と喜んだ。

 選手権予選とインターハイ予選で準決勝に進んだのは、前述の11年前が初めて。2回目は今年のインターハイ予選で、広島皆実高と対戦した。1-2とリードして迎えた後半アディショナルタイムに2得点を奪って逆転したものの、その後に失点して追い付かれ、延長で4点目を奪われて3-4で敗戦。瀬越監督はその試合の公式記録をホワイトボードに貼り出し、「こうなるのはやめよう」と試合の締めくくり方について問いかけ続けてきたという。

 その成果を発揮して勝ち上がった決勝では、第2試合で勝利した広島皆実と対戦する。舞台は整った。今度は夏の雪辱を果たし、初の全国切符をつかみ取ってみせる。

(取材・文 石倉利英)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022

TOP