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塩貝に福田…大会注目FWのPKを次々ストップ!名を揚げていく岡山学芸館GK平塚仁

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PKをストップした岡山学芸館高GK平塚仁(2年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.7 全国高校選手権準決勝 神村学園高 3-3(PK1-4)岡山学芸館高 国立]

 岡山学芸館高(岡山)にとって初の選手権準決勝は、3-3の同点のままPK戦を迎えた。PK戦について練習を重ねて自信を持っていると、高原良明監督をはじめ選手たちも口をそろえる。3回戦の國學院久我山戦に続く今大会2回目のPK戦だったが、「みんな上を向いて、明るい雰囲気で。みんな自信を持ってました」と主将のDF井上斗嵩(3年)は頼もしさを覚えたという。

 その自信のとおりに、國學院久我山戦では5人、神村学園戦では4人、9回のキックをすべて成功させている。チームメイトが確実に決めてくれる――。そのことがGK平塚仁(2年)を勇気づけた。「確実に決めてくれるので自分も止める方に集中してプレーができるので。國學院戦も決めてくれて自分もプレーしやすかったです」。仲間のプレーに応えるように、守護神がビッグプレーを見せる。

 神村学園の2人目のシュートがゴールポストに弾かれて、優位に立った岡山学芸館。神村学園の3人目は絶対的エースストライカーのFW福田師王(3年=ボルシアMG内定)だった。90分を通して福田のプレーを見ていた平塚は、「助走を見ても、相手の選手の性格を見ても、力強いシュートを打ってくるなと思ったので、最後までボールを見て体のどっかに当ててとめようと思いました」と判断。中央に蹴った福田に対し、平塚は左に飛びながらも残していた足にシュートを当ててセーブした。「チームを楽にさせるために絶対止めてやろう」という思いを結実させた。

 3回戦の國學院久我山とのPK戦でも、1人目のキッカーを務めたFW塩貝健人(3年)をストップ。國學院久我山の主将であり、エースである塩貝のシュートをとめたことで、確実に流れは岡山学芸館に傾いた。「國學院のときも1本目の10番を止めて勢いづいたと思います」。平塚は神村学園戦でもその再現を狙い、見事に福田のシュートをとめてみせた。

 PK戦に入るにあたって、90分の中でのプレーに悔いがあったと平塚はいう。1-0とリードしていた前半38分、MF金城蓮央(1年)のミドルシュートを平塚はセーブしたが、目の前にこぼしたところを福田にゴールに押し込まれてしまっていた。「1点目とか自分がぼろっとこぼしてしまって決められたので。2点目と3点目は(とめるのが)むずかしいゴールでしたけど、結果はやっぱり3失点している」。強い責任感を持ってPK戦に臨んでいた。

「3年生ともう1試合」。その活躍で注目を集める2年生守護神は、自らの足でその願いかなえた。

(取材・文 奥山典幸)
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