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[選手権]プレミアで培われた堅守、旭川実は全国で「戦えるチームに」…2戦連続3-0勝利で2年ぶり決勝へ:北海道

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旭川実高が決勝に進出した

[10.28 選手権北海道予選準決勝 旭川実3-0札幌大谷 札幌厚別]

 第102回全国高校サッカー選手権大会北海道大会の準決勝が28日に札幌厚別公園競技場で行われ、第一試合では旭川実高札幌大谷高を3-0で下した。11月12日に札幌ドームで行われる決勝は、大会3連覇を狙う北海高との対戦になる。

「前半だけでもポストやバーに2回くらいですか。そういう意味ではポストやバーが味方になって、今日は味方が12、3人いました」。富居徹雄監督はそう言っておどけてみせた。旭川実が高校年代最高峰のプレミアリーグで鍛えられた堅守で、登場となった準々決勝から2試合連続完封を飾り、2年ぶりの決勝へと勝ち上がった。

 ゲームは開始早々に動いた。4分、旭川実はMF百々楽(3年)が勢いよくエリア内に入ったところでDF田頭一斗(3年)に足をかけられて転倒。これで獲得したPKを、10番FW和嶋陽佳(3年)が豪快に蹴り込んで先制に成功する。さらに同26分には右CKを中央で頭で合わせたFW鵜城温大(3年)のヘッドで、リードを2点に広げた。

 旭川実の勢いを食い止めたい札幌大谷は前半29分にDF山路周平(3年)に代えてMF山崎眞翔(3年)を投入する。すると狙い通りリズムに変化が出るが、前半38分のカウンターからMF鈴木大翔(3年)が狙った浮き球シュートは右ポストを直撃。同アディショナルタイムにはロングスローのこぼれ球をFW古内洸太(3年)がダイレクトで押し込むが、今度は左ポストに嫌われた。

 後半も札幌大谷がサイドからの崩しで決定機を作るが、GKイルング侑良(3年)や主将DF庄子羽琉(3年)らを中心とした旭川実の守備陣が体を張った守りをみせる。後半29分の古内に頭で合わされた決定機も、イルングが好セーブで弾き出して、得点を与えなかった。そして同30分、MF松本琉衣(2年)が右サイドでエリア内に侵入。こぼれ球を拾った和嶋がクロスを上げると、ファーでMF清水彪雅(2年)が頭で合わせて、勝負を決める3点目を奪った。

 今季の旭川実は11年ぶりに2度目となるプレミアリーグを戦っている。しかし4月の開幕戦で横浜F・マリノスユースを破り、最高のスタートを決めたかに思えたが、そこから9月まで未勝利。現在最下位と厳しい戦いとなっている。

 ただ地元開催となったインターハイには北海道王者として出場すると、新潟県の強豪校である帝京長岡高を撃破した。選手権で改めて、今年のチームが全国レベルで戦えるチームであることを証明したいところだ。富居監督も「戦えるチームになってもらわないと困りますよね。せっかくプレミアにいるので、積みあがっていかないといけない」とイレブンの奮起を期待する。

 また決勝の相手は選手権予選を2連覇している北海高に決定。一昨年は決勝、昨年は準々決勝で、いずれもPK戦による惜敗を喫しているライバル校で、相手にとって不足はない。今大会は史上初めて、札幌ドームで決勝を行うことも決定。選手たちも目を輝かせる夢の舞台で、旭川実が令和初の全国選手権出場を決める。

(取材・文 児玉幸洋)
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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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