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13発ゴールラッシュの米子北が14連覇に王手…2失点を教訓として決勝へと向かう:鳥取

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米子北高米子松蔭高を下して決勝へ

[10.29 高校選手権鳥取県予選準決勝 米子北高 13-2 米子松蔭高 ヤマタスポーツパーク球技場]

 第102回全国高校サッカー選手権鳥取県予選準決勝が29日に行われ、第1試合では米子北高米子松蔭高を13-2で下し、11月4日に行われる決勝に勝ち上がった。

 開始直後から米子北が猛攻を仕掛け、米子松蔭が懸命にはね返す展開。米子北はMF城田利恩(3年)の左サイドからのドリブル突破や、FW愛須隆聖(3年)の中央での仕掛けなどでゴールをこじ開けようとするが、米子松蔭もDF五嶋光(2年)やDF永井楓誇(3年)がゴールライン付近のボールを懸命にクリアするなど、何とか水際で食い止め続ける。

 しかし、クリアされても即座に回収して波状攻撃を仕掛ける米子北が、前半25分(40分ハーフ)に均衡を破る。左サイドからパスをつないで逆サイドまで運ぶと、最後は右SB浜梶優大(1年)がゴール右にミドルシュートを決めて試合を動かした。

 なおも攻め続ける米子北は27分にPKを獲得し、愛須が決めてリードを広げると、30分にはCK後の混戦からMF柴野惺(2年)が蹴り込んで3点目。前半アディショナルタイムにはCKからFW鈴木颯人(2年)がヘディングシュートを決め、4-0として前半を終えた。

 米子松蔭は大量リードを奪われて迎えたハーフタイム、井上桂監督が「ここから、どう頑張るかだ」と語りかけ、選手たちも闘争心を奮い立たせて後半に向かった。だが米子北は、それをも打ち砕くように後半2分に愛須が5点目を決めると、4分にも愛須、10分には城田が決めて7-0とする。

 しかし、一方的な試合となってもファイティングポーズを取り続ける米子松蔭は、13分に1点を返す。FW黒田宏希(3年)が、DF妹崎優羽(3年)の最終ラインからのロングパスに完璧なタイミングで反応。米子北の最終ラインをすり抜けてスペースに飛び出すと、飛び出してきたGK尾崎巧望(3年)よりも先にボールに触って流し込んだ。

 ただ、米子北は選手交代で攻撃のギアを上げると、19分に城田、21分と26分にDF金城正宗(3年)、28分にMF仲田堅信(3年)、37分にMF上原颯太(3年)と次々に得点。最後は40分、城田が愛須に続くハットトリック達成となる13点目を決め、ゴールラッシュを締めくくった。

 それでも、米子松蔭は試合が終わる瞬間までゴールを目指した。後半アディショナルタイムの40+2分、直接FKからMF當別當拓斗(3年)がヘッドで決めて2点目。試合の大勢に影響はなかったものの、最後に意地を見せて試合を終えた。

 井上監督は「ゴールを決めたのが2人とも3年生で、やはり3年生の力だと思った」と奮闘を称えつつ、「選手は最後まで頑張ってくれましたが、それでもダメだということを1・2年生に気付いてほしい」と今後を見据えてコメント。鳥取は11月中旬に新人戦が始まり、早くも新チームがスタートするだけに、キャプテンとしてチームを引っ張った黒田は「自分たち3年生が見せた姿を忘れず、米子北を倒して全国大会に行くという目標を成し遂げてほしい」と後輩たちにエールを送った。
 
 米子北の中村真吾監督は、1失点目について「DFとGKの間にボールを落とされたときのコミュニケーションや対応は、最近あまり良くなかった。永遠の課題」と指摘。鳥取城北高と対戦し、14年連続19回目の出場を目指す11月4日の決勝に向けて「セットプレーでもやられたので、しっかり修正したい」と語り、2失点目も教訓として生かしていく考えを示した。

(取材・文 石倉利英) 

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石倉利英
Text by 石倉利英

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