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無失点で決勝へ…上昇気流に乗る丸岡、福井工大福井に完封勝利で6連覇に王手!!:福井

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MF安嶋琉生(2年=8番)が試合を決める2点目をマークし、丸岡高が決勝進出

[10.29 選手権福井県予選準決勝 丸岡高 2-0 福井工大福井高 テクノポート福井スタジアム]

 第102回全国高校サッカー選手権福井県予選準決勝が29日に行なわれ、丸岡高福井工大福井高が対戦。丸岡が2-0で勝利し、6年連続34回目の選手権出場に王手をかけた。

 2試合で21得点無失点と大差で勝ち上がってきた丸岡だが、準決勝ともなると同じようには行かない。「横綱相撲は選手権に絶対ない。番狂わせもある。選手は簡単に勝てないと今日戦って分かったはず」。試合後、丸岡の小阪康弘監督が口にした通り、前半は思い通りに試合を進められなかった。

 キックオフと共に勢いよく相手ゴールに迫った丸岡は、前半4分に早々と決定機が到来。MF久津見颯(2年)が高い位置で奪った勢いのままフリーでゴールを狙ったが、シュートはGKの正面に終わった。以降も夏以降、中盤から前線にコンバートされた1トップのFW奥村洋武(3年)が相手に警戒されながらもサイドに流れて起点を作ると、そこからチャンスを演出したが、得点には至らない。

 対する福井工大福井は23分に「自分の特徴は前への推進力。丸岡に勝つため、身体作りを一生懸命やってきた」と話すFW笈田佑紀(2年)が力強いドリブルで中央を運んで、FW北宗馬(3年)がシュートを放つ。以降も北と笈田がカウンターからチャンスを狙い続けたため、丸岡は2人のケアに意識を取られて思い切ったプレーができない。守備は「プリンスリーグで県外勢の勢いに慣れているので、事故さえなければ大丈夫だと思っていた」(小阪監督)ものの、攻撃は決定機まで作れず無得点で前半を終えた。

 後半も拮抗した展開が続いたが、選手に焦りの色は見られない。奥村は「監督からは上手く行かないのを前提に戦おうと言われていたので、落ち着いて戦えた。全員で我慢して一発行けたらと思っていた」と振り返る。状況を打破したのは後半7分に投入された「元気の良い選手」(奥村)というMF西村心(2年)のプレーだ。24分に右クロスが反対サイドに流れると、こぼれ球を拾ったDF大藤航輝(3年)がゴール前に折り返し。このボールを西村が勢いよくダイビングヘッドで合わせ均衡を崩した。

 試合終了間際の39分にもMF渡辺祥気(3年)、西村と素早く繋いで最後はフリーで中央を抜けたMF安嶋琉生(2年)が2点目をマーク。「もう少し落ち着いてやりたかった。これが選手権の怖さ」。小阪監督が振り返る試合展開ながらも、要所を抑えた丸岡が2-0で勝利した。

 今季の丸岡は守備が不安定な試合が続いていた。プリンスリーグ北信越2部の第8節帝京長岡高2nd戦は1-9で大敗。7月末のインターハイでも尚志高に1-7で敗れた。だが、夏以降は練習からシュートを打たせないよう相手との距離を詰めることを意識。加えて、ボールが収まる奥村が前線に入ったことも大きい。安心して前にボールを付けられるようになった結果、相手コートでの時間が増え、失点リスクは減っている。

 選手権予選前の練習試合も含め、直近の6試合は無失点。「昨年よりは時間がかかったけど、ようやく上昇気流に乗ってきた。一気には行っていないけど、緩やかに良くなっている。こういうチーム作りもあるんだと勉強になった」(小阪監督)。準決勝もピンチがありながら、ゼロで終われたのは収穫。「無失点にずっと拘っているので、無失点で勝てたらと思います」と奥村が話す通り、このまま堅守を維持して、頂点まで駆け上がる。

(取材・文 森田将義)

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森田将義
Text by 森田将義

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