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覇権奪還を目指す東福岡が決勝進出!! 試合中の修正で悪い流れ断ち切り、粘る九国大付を退ける:福岡

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東福岡高が接戦を制して決勝進出

[11.5 選手権福岡県予選準決勝 東福岡高 3-2 九州国際大付高 ミクニワールドスタジアム北九州]

 5日、第102回全国高校サッカー選手権の福岡県予選準決勝がミクニワールドスタジアム北九州にて開催された。その第1試合では東福岡高九州国際大付高が対戦。粘りのサッカーを見せた九州国際大付を3-2のスコアで退けた東福岡が、12日に行われる決勝への進出を決めた。

「前半の途中までは良い形で試合を進められていた」と東福岡の選手たちが振り返ったように立ち上がりからの攻防をまず制したのは覇権奪還を目指す“赤い彗星”だった。

 前半21分にはMF對馬陸人(3年)のシュートが相手DFに当たったこぼれ球にFW野田昂希(3年)が鋭く反応。角度のない位置だったが、「迷わないように思い切り振り抜いた」というシュートが相手GKの股間を抜けてゴールイン。先制点が生まれた。

 さらに28分には伝統の鋭いサイド攻撃から得たPKをMF榊原寛太(3年)が落ち着いて右足で流し込み、2-0とリードを広げてみせた。これで圧倒的優位を確保したかに見えたが、「プレミアリーグを戦っているときも、2-0からの試合がずっと課題になっていた」という森重潤也監督の懸念は悪い方向で的中してしまう。

 試合の流れが反転する契機になったのは前半38分の攻防だ。まったく諦める様子もなく、より強い覚悟をもって反撃に出ていた九州国際大付が右サイドで得たロングスローのチャンス。MF濱中翔太(3年)の入れたボールを東福岡DFがクリアし切れず、これを拾った濱中が今度は右足でクロスボールを放り込むと、相手DFの間に入ってほぼフリーになっていたDF田中翔太(3年)が力強くヘディング。1点差に詰め寄ってハーフタイムを迎えることとなった。

 九州国際大付は前半終了間際からの流れを後半へ持ち越すと、後半開始早々の4分に再び試合を動かす。またしてもロングスローから跳ね返ったボールを今度はDF赤金翔(2年)が詰めて同点ゴール。瞬く間に試合を振り出しに戻してみせた。

 東福岡側もロングスローからの攻撃は警戒していたが、「予想していた以上に飛んできた」(GK笈西櫂大(3年))ボールに対してDF陣を含めて対応し切れず、悔いの残る流れとなってしまった。ただ、このままでは終われない東福岡はここで「話し合ってロングスローの守り方をニアは自分が出て行く形に変えた」(笈西)と修正。失点の流れを断ち切り、反撃へと繋げてみせた。

 そして迎えた21分だった。DF秋一星(3年)が最終ラインから縦パスをつける形で前への加速を生み出すと、そのまま前へと一気に攻撃参加。FW野田が相手DFに阻まれてこぼれてきたボールを「予想できていた」と拾って素早くクロス。これを對馬が頭で押し込み、3-2と勝ち越してみせた。

 その後は九州国際大付も捨て身の姿勢で反撃を継続。東福岡ゴールに迫る場面も作ったが、「あれ以上失点するわけにはいかなかった」(笈西)守備陣が一致団結して跳ね返し、最後までスコアをキープ。激戦を3-2で制した東福岡が、12日の決勝へと駒を進めた。

(取材・文 川端暁彦)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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