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立正大淞南、節目となる20回目の全国へ!! 益田東ゴールをこじ開けた“伝統の武器”:島根

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立正大淞南高が2年連続20回目の選手権出場

[11.11 高校選手権島根県予選決勝 立正大淞南高 2-0 益田東高 浜山運動公園陸上競技場]

 第102回全国高校サッカー選手権島根県予選決勝が11日に行われ、立正大淞南高が2-0で益田東高を下し、2年連続20回目の出場を決めた。

 試合は前半の立ち上がりからアグレッシブにゴールを目指す立正大淞南に対し、益田東が粘り強く防いでチャンスをうかがう展開。立正大淞南はCKなどセットプレーでもゴールを脅かすが、益田東もキャプテンのDF津組圭汰(3年)やGK高橋寛光(2年)が懸命に対応して決定機を作らせない。

 1997年以来26年ぶりの決勝進出で、同年の全国高校総体(インターハイ)以来の全国大会となる選手権初出場を目指す益田東は、最終ラインからパスをつないでの反撃を試みる。立正大淞南の出足の鋭い守備に阻まれることが多かったが、21分(40分ハーフ)にプレッシャーを回避して右サイドから敵陣へ。最後はFW和井元孝介(2年)のセンタリングが立正大淞南GK塚田喜心(3年)にキャッチされたものの、狙いとするプレーで良い形を作った。

 しかし、その後も圧力をかけ続ける立正大淞南が主導権を握り、22分にはFW永澤叶太(3年)がエリア外中央から左足で狙ったが、右に外れた。永澤は26分にもFW久島理功(3年)のパスから左足で狙ったものの、益田東GK高橋のセーブに阻まれる。36分にはDF三島典征(2年)がエリア外中央から放ったシュートも上に外れ、そのまま0-0でハーフタイムを迎えた。

 後半も同様の展開が続き、なかなか均衡が破れなかったが、ついに9分、立正大淞南がゴールをこじ開ける。MF豊田寛太(1年)が右CKを中央へ送ると、走り込んだDF西口大稀(3年)が高い打点のヘッドで合わせたシュートが、クロスバーに当たりながらも下にはね返ってゴールイン。昨年の選手権予選決勝で1得点、今年のインターハイ予選決勝では2得点を、いずれもCKからのヘッドで決めている西口が、『決勝男』の本領を発揮して均衡を破った。

 これで勢いづいた立正大淞南は、16分にも右CKを獲得。今度はFW三島拓人(2年)が中央に送ると、DF坂本直太郎(3年)がヘッドでたたきつけたボールがゴール左に決まり、リードを2点に広げた。

 立正大淞南は攻撃の手を緩めず、22分には三島拓、MF野澤颯天(3年)、永澤が立て続けにシュートを放つが、益田東GK高橋が連続セーブで防ぐ。守備陣の頑張りに攻撃陣も奮起し、30分にはMF高村詩(1年)が左サイドからエリア内へドリブル突破、MF福田光(2年)がこぼれ球をエリア外左から狙ったが、立正大淞南GK塚田が鋭い反応でストップ。結局そのまま2-0でタイムアップを迎えた。

 益田東は前半をスコアレスでしのぎ、何とか勝機を引き寄せたかったが、後半にセットプレーで崩されて及ばなかった。就任5年目の野呂龍仁監督は「結果は残念ですが、セットプレーは対策に対策を重ねて、それでやられてしまったので、淞南さんをほめるしかない」とコメント。先発11人中10人、決勝の登録メンバー20人中17人が1・2年生という若いチームで勝ち上がった道のりを「1回戦から苦しい試合が続いていましたが、みんなで乗り越えてきて自信がついた。今日も苦しい時間の方が長かったですが、自分たちがやってきたことを出そうという姿勢を見ることができて、すごくよかった」と振り返った。

 立正大淞南は前半から優勢に進めながらも先制点までが遠かったが、野尻豪監督が「じれる展開も含めて戦いになる、と選手たちに話していた」と語ったように、落ち着いた試合運びから伝統の武器であるセットプレー2発で試合を決めた。野尻監督は「選手たちには、過去の卒業生の試合もたくさん見せている。節目の20回目の出場は、ここまで積み上げてきた先輩たちや、総監督の南(健司)先生がいたからこそ」とも語り、「自分たちだけで選手権に出場できたのではないことを理解して、新しい淞南サッカーを体現できるように準備してほしい」と期待を寄せていた。

(取材・文 石倉利英) 
●第102回全国高校サッカー選手権特集
石倉利英
Text by 石倉利英

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