beacon

逃げずに課題と向き合い、“3度目”の選手権へ。高川学園DF藤井蒼斗主将は「もっとチームのために」

このエントリーをはてなブックマークに追加

高川学園高の大黒柱、CB藤井蒼斗主将(3年=高川学園中出身)

[11.19 選手権山口県予選決勝 高川学園 2-0 聖光高 みらスタ]

 高川学園高にとって特別な番号である「13」を背負い、またキャプテンマークを巻いて選手権予選決勝を戦うのは2年連続。大黒柱のCB藤井蒼斗主将(3年=高川学園中出身)がその経験も活かし、無失点で決勝を終えた。

 前半は、出足良くインターセプトしてそのまま攻め上がり、右足シュートを放つシーンがあった。また、ゴール前でのカバーリングが的確で、CB沖野眞之介(2年)とのコンビも安定。特に前半は縦へ差し込むパスやサイドチェンジなど攻撃面でも存在感のある動きを見せていた。

 後半に関してはチーム全体が縦へ急いでしまったことを反省。それでも、江本孝監督は「(2CBは)良かったと思います。藤井に関してはこの決勝3回目なので」と落ち着いてプレーしていた主将を評価していた。

 藤井は「この一週間、守備のところを厳しく言われてきたので、まずは無失点であとは攻撃に任せたという気持ちでした」。本職はボランチで高校進学後に、CBへ転向。1年時は強さで劣ったり、反応が遅れてしまうところがあったが、課題を改善しながら、攻撃も守備もレベルの高いCBへ成長を遂げている。

「キャプテンもやらせてもらって、チームを引っ張るという意識でやっていたら自然と周りを見ることが増えた。1年生からCBにコンバートされて毎日毎日課題をずっと言われ続けてきたので、逃げたいと思う時もあったんですけれども逃げずに、江本先生も見放さずに自分の課題を言い続けてくださったので、そういうところが少し成長に繋がっているかなと思います」

 強い向上心を持つ主将は、現在もスプリントコーチと連絡を取りながらスピードアップにチャレンジ。少しでもレベルアップし、選手権全国大会を迎える意気込みだ。エースFW山本吟侍(3年)とともに1年時から貴重な経験をさせてもらってきたが、今回が最後の選手権。「自分と山本がチームのために100%で動いて、もっとチームのためになることをしていきたい」。2年前の選手権準決勝を超え、初の決勝、日本一へ。次世代の高川学園に多くの経験をさせて、高川学園を卒業する。

(取材・文 吉田太郎)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP